高速道路で運転中に手放しで寛げるVOLVOの革新技術とは?

数々の自動車に関する安全技術を開発してきたVOVLVOがまたまた興味深い技術、「SARTRE」(Safe Road Trains for the Environment)を公開しました。

これは道路上での至近コンボイ走行(列車風に数珠繋ぎ)を可能にするもので、最大の特徴は道路などのインフラに一切手を加えること無く、かつ安価に自動運転が実現できるところ。

カメラやレーダー、レーザーセンサーなどのVOLVOが持つ既存の安全システムに車間通信のためのワイヤレスネットワーク機能を組合せることで走行中の各車両が先行車や追従車を常時モニターする仕組み。

スペインのバルセロナ郊外の一般車両が走行する高速道路で「SARTRE」の実証試験が行なわれ、見事成功した模様。

このプロジェクトはスウェーデン国立研究所(SP)、ドイツのアーヘン工科大学車両研究所(IKA)、英国リカルド社、スペインのアプルス・イディアダ社、ロボチカ社、VOLVOテクノロジー、VOLVO社による共同事業で、実用化に向けて大きな一歩を踏み出したとしています。

 

「SARTRE」プロジェクトは2009年より始動。開発期間中、10,000キロの総走行距離に及ぶテストが繰り返され、僅か5mから15mまでの車両間隔で実証試験が行なわれたそう。

プロジェクトの一番の目的は「ドライバーの運転環境の改善」にあると言います。
先頭車に続く後続車が一切の運転操作から解放されて、移動時間を運転以外のことに有効活用できるというもの。

当然ながら先頭車の走り方に後続車が大きく影響されることになるので、「衝突しない」事が前提の技術とはいえ、先頭車両にとってのメリットや責任がどうなるのか大いに気になりますが、この点についても先頭・後続双方にメリットが有る新たなビジネスモデルを構築中とか。

車間を詰めて安定した速度で一丸となって走る事で高速道路の渋滞が解消したり、自動運転により、疲労や居眠りなどから解放されるなど、「渋滞国」日本では特にメリットが有りそうなこの技術ですが、実現に向けてはまだまだ問題山積みといったところでしょうか。

■自動運転技術「SARTRE」のロードトレイン、公道にて初公開(ボルボ・カーズ・ジャパン)
http://www.volvocars.com/jp/top/about/news-events/pages/default.aspx?itemid=102

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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