VOLVOが新型V40に採用した世界初の「歩行者用エアバッグ」の詳細を公開しました。
車両前面に埋め込まれた7つのセンサーが何らかの物体との接触を感知すると、コントロールユニットがその信号を解析、その物体が人間脚として認知された場合、「歩行者用エアバッグ」をフロントウインドシールドガラスに向けて瞬時に展開するというもの。
VOLVOの調査によると、交通事故による死亡者数のうち歩行者事故の割合は欧州で14%、米国で12%、中国で25%(日本では36%以上)を占めているそうで、頭部外傷は、エンジンフードの下にある硬いエンジン部品やガラス下縁部、Aピラーへなどへの衝突によって引き起こされていると言います。
今回発表されたエアバッグはそうした部分に頭を打ち付けて致命傷を負う危険性の回避を目的にしており、エンジンフードのヒンジ部に衝突時フードパネル後部を持ち上げる機能が備えられています。
フードパネルとエンジンルーム内の硬い部品の間に隙間を作ることで、衝撃を吸収するスペースを与え歩行者と衝突した際に衝撃を和らげると共に、瞬時に展開(200~300分の1秒)したエアバッグがガラス下縁部やAピラーへなどを覆って頭部を保護する構造。
歩行者が関係する事故のうち、75%が40km/h以下での走行時に発生していることから、このシステムは20~50km/hでの衝突時に作動するそうです。
更に歩行者との速度差が35㎞/h以上の場合は、「歩行者検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システム」で衝突スピードを可能な限り減速して、衝突ダメージを軽減すると言います。
日本でもすでに有名になった、ドライバーの不注意をカバーしてくれる「ぶつからないクルマ」が存在しますが、VOLVOの場合はルームミラー部のカメラ+ミリ波レーダーでセンシングする「歩行者検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システム」(2年前に公開)と今回の「歩行者用エアバッグ」の併せワザにより、万が一の場合にも歩行者傷害を軽減しようという思想のようです。