SUVの常識を覆す運転のしやすさも驚きの魅力!【マツダCX-5試乗 by 斎藤 聡】

一番最初にも書いたがエンジン以外のCX-5の魅力をしてまず挙げたいのは操縦性の良さ。なにしろ運転しやすいのだ。

クロスオーバータイプのSUVは車高が高いため、腰高感があったり、本当の4×4ではないので、過大なロールを抑えるために足回りが硬かったりと、多少なりとも乗り味にくせがあり、乗用車に乗る感覚では運転できないというのが一般的だ。ところがCX-5は普通の乗用車に乗る感覚で走れてしまうのだ。

どんな感覚なのかというと、ハンドルを切りだしたときのクルマの動きに、ヨッコラショといった感じの重さがなく、スイーッと向きを変えてくれる。しかもサスペンションが大げさに沈まないから、クルマの動きがスッキリしているのだ。クルマ自体が素直に曲がってくれる性質を持っているので、カーブでいつまでもハンドルを切っていなくても済む。カーブに合わせてハンドルを切りだしていくと、カーブの後半では自然とハンドルを戻しながら走る操作になる。

じつは、このハンドリングを作りだすのにかなり力を入れたのだという。このハンドリングが偉いところは、無理にクルマを軽く感じさせようとか、機敏に味付けしようという不自然さがないところ。足回りの…専門的にいうとジオメトリーというのだが、それを上手にチューニングすることで、作りだしているのだという。思いどおりにクルマが走ってくれることの面白さとかストレスのなさを、SUVのCX-5で実感できるというのはちょっとした驚きだ。

(斎藤 聡)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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