歴代ステップワゴンは「ユーティリティと走りの両立」が一貫した開発コンセプトです。初代が両立を果たしてからは、2代目で双方のレベルアップを行い、3代目ではユーティリティを犠牲にせずに走行性能の大幅アップを果たしました。
そして現行4代目の開発コンセプトは「原点回帰」です。3代目で突出した「走り」に合わせて「ユーティリティ」のレベルアップをはかり、高い次元でバランスさせようというのが狙いです。
その実現には「走りのミニバン」こと3代目ステップワゴンのDNAが、大きく関わっているのです。
3代目は走りを極めるために、低床低重心化とオーバーハングの短縮化を押し進めました。言い方をかえると「床が低くリアを伸ばす余地のあるミニバン専用のプラットフォームがある」ということ。だからこそ、全高とリアオーバーハングを伸ばすことで「クラス最大の室内空間」を獲得することができたのです。
4代目の大空間は、3代目の「走り命」の骨格なくしては実現できない訳で、まさに3代目のDNAがしっかり受け継がれていると実感しています。
さて4代目ステップワゴンの特徴は、大きく2つあります。
ひとつは「3列目シートの収納方法」です。
ライバル車は「らくらく跳ね上げ式」と「リア床下スペース」をセットにして便利さをアピールしています。
一方4代目ステップワゴンは、「跳ね上げ式」からホンダ独創の「床下収納式」に変更してきました。シート収納時は床下スペースが塞がるため荷物が入れられませんが、収納時は3列目シートが視界から完全に消えてなくなり、荷室には広大な真四角スペースが生まれます。両方とも一長一短があり、どちらが良いかは悩ましいのですが、床下収納による大空間はステップワゴンならではの個性となっているようですね。
2つ目は「燃費」です。
登場当初は、新型エンジンとCVTの採用でトップクラスの燃費を達成したのも束の間、ライバル車もアイドリングストップ等を採用して、優れた燃費を叩き出してきました。ガソリンの高騰が続く中、家族で遠出を楽しむためにも、「ミニバンの燃費」はますます大切な要素になってきています。
ステップワゴンは近々マイナーチェンジを予定しているから、「燃費」も改善してくると期待しています。
“「ユーティリティ」はクラス最大の室内空間、「走り」は3代目譲りの低床低重心、そして「燃費」を含めた3部門でクラストップ性能を目指せ〜!「スパーダ」もギンギラギンで決めるぞ〜!”
と開発現場では激が飛びまくっていると、歴代ステップワゴンを振り返って強く感じた次第です。
(前期のCMはウルトラ兄弟でした。後期は何でしょうね?@拓波幸としひろ)