最近の背高クルマや、衝突安全のためにボンネットを高くしたクルマを見慣れているせいか、何と言ってもBRZの低さは非常に新鮮。
もともと低重心が売りのスバル車ですが、FF及び4WDのフロントドライブシャフトを取り出すために、エンジンはフロントサスペンションの前方に搭載されていました。今回はフロント駆動のないFRですから、エンジンを後方に置いてフロントミッドに近い配置にしています。スーパーカーみたいと感じたのは、決して贔屓目ではありませんでした。
BRZはインプレッサに対しエンジン重心を60mm低く、240mm後方に引いた位置に搭載。これに合わせて、ルーフやボンネット高、乗員着座位置も低減させ、重心高を460mmに設定。これは国産車最低であるのはもちろん、フェラーリ等のスーパーカーにさえ肩を並べている。
また低重心の実現には、ボディ構造も大きく寄与しています。フロア側をしっかり作り込んでボディ剛性を確保しつつ、上屋には超・高張力鋼板を採用して軽量化をはかりました。
また前部・キャビン・後部の3ゾーンに分け、特性に合わせた設計を行ったそうです。ということは、キャビンやリア形状を変更しやすい構造ということですね!これはひとえにオープンやセダン等、将来の派生車種展開への布石であると、勝手に解釈しています(・o・)ゞ
車体を3つのゾーンに分け、キャビン部は超高張力鋼板を積極的に採用し、乗員保護性能と軽量化を両立。フロント部は操舵初期の応答性を高めつつ剛性バランスを最適化し、リヤ部は剛性を高めて俊敏なハンドリングを可能とする設計が行われた。
低重心の主役であるエンジンは、FB型をショートストローク化して、トヨタの直噴D-4Sをヘッドに換装したFA型を新開発。太い低中速トルクと7000回転まで回る高回転を両立して、リッター100馬力を達成しています。コンセプトモデルの時は「FB型を流用する」と三味線を弾いていましたが、もうほとんど新規開発ですよね。でもこういうサプライズなら大歓迎!
ちなみに、ポートと筒内噴射を使い分ける直噴技術は、トヨタの虎の子技術です。普通なら子会社にでもならない限り、使えない代物だと思うのです。これも今回のプロジェクトでスバルが得た大きな財産のひとつだと、これまた勝手に感じ入っています。是非ともボンネットを開けて、エンジンとタイヤの位置を見比べてみてください。エンジンが異様に低くて、膝くらいの高さにメカがギュッと詰まっています。
自分などはそれだけで「いいクルマだなぁ~」と実感してしまう今日この頃です。