1981年、すべて本の第1号として初代「トヨタソアラのすべて」が創刊しました。次のピアッツァは、なぜか唯一の横綴じでしたね。
当時自分は高校生で、星島浩さんの名調子を、貪るように読んだものでした。あれから30年、節目の記念として「80年代国産車のすべて」が刊行されました。「地球かぁ、何もかも皆懐かしい~」とは、TVアニメ宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長が、万感の想いで地球と家族を慈しむ名セリフです。今回のすべて本はページをめくる度に、本当に何もかも皆懐かしく思い出されますよ~。
80年代の国産車が個性派揃いなのは言わずもがなですが、そこには2つの時代背景が作用していたように思えます。
ひとつは、70年代の排ガス規制です。一時はDOHCエンジンが殆ど姿を消したほど、メーカーは対応に追われました。エンジンはパワーもレスポンスも燃費までもが低調で、クルマ好きにとっては先の見えない暗い時代でした。
ただ作り手のメーカーは、諦めて下を向くどころか、「ナニクソ、今に見ていろ!」と逆に反骨精神を増幅していたと思うのです。
ひとつは、70年代の排ガス規制です。一時はDOHCエンジンが殆ど姿を消したほど、メーカーは対応に追われました。エンジンはパワーもレスポンスも燃費までもが低調で、クルマ好きにとっては先の見えない暗い時代でした。
ただ作り手のメーカーは、諦めて下を向くどころか、「ナニクソ、今に見ていろ!」と逆に反骨精神を増幅していたと思うのです。
2つ目は、マンガ「サーキットの狼」が生み出したスーパーカーブームの影響です。自分はまさにスーパーカー世代ド真ん中でして、お年玉貯金をはたいてスーパーカーの写真を撮りまくったものでした。あのブームでは、子供も大人も「日本車って何でこんなにダッサいんだろう!」と感じた反面、スーパーカーによってクルマに対する憧れを抱き続けていたと思うのですね。日本車が排ガス規制で凹んでいた時、逆に消費者はクルマへの憧れを膨らませていたと感じています。