レクサスLF-A FT-86の大祖先 トヨタ2000GTを詳細に撮影。その1

日本が生んだ世界の自動車芸術であるTOYOTA2000GT。発売当時の物価で考えればレクサスLF-Aと同等以上の高級スポーツカーと言えます。生産台数は1967年5月から1970年8月までの3年3ヶ月で337台。これだけでもLF-Aより少ないわけですから、相当なスーパーカーなのです。

今回撮影させていただいたこの車両は、現存するTOYOTA2000GTの中でも希少性の高くなってしまった右ハンドルモデル。レストアなどはTRDの横浜工場で行われた純正仕様であるとのこと。街乗りが普通に出来るくらいに完璧に整備されているのはパッと見だけでもわかります。

今回はその1ということで外観のアウトラインを見て行きましょう。

ヘッドライトのように見えますが、見えているライトはフォグランプ。

なんの比較も無いと大きく見えますが、じつはかなりコンパクトな5ナンバーサイズ。

フロントのフェンダーなどは継ぎ目が無く、リアまでのボディパネルが流れるようにつながっていきます。

今の技術では作りえない一体感。治具とハンマーの手作業が織りなす芸術です。

リアの丸みを活かしきった縦型のバンパーがかっこいい。

本当に魅とれてしまうくらい美しいスタイル。このデザインと伝統がモチーフとして後世のトヨタ車に生きていることが本当によくわかります。現代では作りたくても絶対に作りえないクルマであることは間違いないでしょう。

日本が世界に追いついた瞬間の証拠として、残しておきたい遺産です。

(北森涼介)

 

 

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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