まるでファミコンの裏技?トヨタ・ヤリス、カローラ、RAV4…TNGA最新世代リコール三連発の意外な内容

■素早く抜き差しすると消える? シートベルト警告灯の裏技的バグの対応でリコール実施

2020年5月20日、トヨタが3つのリコールを国土交通省に届出しました。リコール自体は珍しいものではありませんが、今回の対象車がヤリス、カローラ、RAV4という最新世代のモデルとなっていることで密かに話題を集めています。

カローラ集合
後席シートベルト警告灯に関するリコールの対象車はカローラ、カローラツーリング、ヤリス、JPN TAXI

まずカローラのリコールから。こちらは『後席シートベルト非装着時警報装置において、制御プログラムが不適切なため、後席乗員が短時間にシートベルトを脱着すると、他の後席シートベルト警告灯が消灯する場合がある。そのため、運転者が当該警告灯にてシートベルト装着状態を正しく確認できないおそれがある。』というものです。

短時間に抜き差しするとバグが出るというのは、なんだか大昔のファミコンの裏技を思い出してしまうような現象ですが、後席シートベルトの装着は事故時の安全につながるわけで装着率を高めることが求められているところ。そこでのエラーというのは問題です。

ちなみに、対象となっているのはカローラ(セダン)とカローラツーリング(ワゴン)、そしてヤリスとJPN TAXIの一部。対策としては『コンビネーションメータの後席シートベルト警報制御プログラムを対策仕様に修正する』となっています。

カローラメーターパネル
カローラなどのリコールは『後席乗員が短時間にシートベルトを脱着すると、他の後席シートベルト警告灯が消灯する場合がある』というもの
ヤリス集合
VSCの誤作動というヤリスのリコール。対象車の製作期間は令和元年12月11日~令和 2年 4月21日。対象車は27,622台

ヤリスには、もう一つリコールが出ています。こちらの内容は『停車中のアイドリング時の振動を二輪駆動車用スピードセンサが車速と誤検出して、異常判定することがある。そのため、警告灯が点灯し、VSC等が作動しなくなるおそれがある』というもの。新型ヤリスといえば全車3気筒エンジンにしたことも話題ですが、アイドリング振動で車両安定制御機能にエラーが出てしまうというのはメーカーとしても想定外だったということでしょうか。

その証拠にリコール届出によると、この不具合の発見は「市場からの情報による」もので、しかも22件も出ています。発売時期を考えると、経年劣化も考えられませんから仕様としての問題といえます。そしてVSCのような横滑り防止装置は装着が義務化されている電子デバイスなので停車状態でエラーが出てしまうというのは大問題。早々にリコール対応するというのも納得です。

TOYOTA_RAV4
RAV4のリコール対象車の製作期間は令和元年 9月25日~令和元年10月23日。対象車は3409台

最後に紹介するのは第40回 2019 – 2020 日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたクロスオーバーSUVのRAV4。こちらは電子デバイスではなく、もっと単純かつ重要なハードウエア。なんとフロントサスペンションを構成するロアアームに問題があるというリコールです。

その内容は『材料製造工程が不適切なため、ロアアームに亀裂が入っているものがある。そのため、そのまま使用を続けると亀裂が進展し、最悪の場合、ロアアームが破断して、走行安定性を損なうおそれがある』というもの。

ロアアームの破断とはおだやかではありませんが、実際の事故は起きていないそうです。こちらは発見の動機が社内からの情報ということですからクオリティコントロール部門などで問題を発見したということでしょう。リコールが発生すること自体は褒められるものではありませんが、品質管理の点からすると、逆に信頼のおける発見経緯といえるかもしれません。

RAV4メカニズム
RAV4のリコール内容は『材料製造工程が不適切なため、ロアアームに亀裂が入っているものがある』というもの

今回のリコール内容を見ると、シートベルト警告灯とVSCのエラーというのは開発時に見落としたバグといえるものですが、そもそもリコールというのは、そうした見落としてしまった事案から起きるトラブルを未然に防ぐための制度といえます。

ヤリスについては発売から3か月ほどでのリコールとなりましたが、それは責めるべきではなく、むしろ評価すべきといえるかもしれません。本来、リコールというのは隠すことなく、素早く対策すべきものだからです。

(自動車コラムニスト・山本晋也)

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