スカイアクティブ2.0Lの魅力は、低回転からの豊かなトルク!

2.0Lクラスのガソリン車として初めて10・15モードで20.0km/Lを達成したマツダ・アクセラ。

先に紹介したように優れた燃費は新型6速ATの効果も大きいと思いますが、ここではエンジンについて触れたいと思います。

エンジン外観。従来型MZRよりも軽量に仕上がっています。

まず話題となっている圧縮比ですが、このスカイアクティブ2.0の圧縮比は12.0となっています。え、スカイアクティブって14.0じゃないの? という声も聞こえてきそうですが、スカイアクティブの圧縮比14.0というのは、ガソリンのオクタン価が95RON(日本ではハイオク仕様)の場合となっています。

そのためレギュラーガソリンのスカイアクティブの圧縮比は13.0となります。そしてこのアクセラはマイナーチェンジのため4-2-1の排気マニホールドが使えないことから(入らない)、1.0下がって12.0。

圧縮比13.0となるのは、4-2-1の排気マニホールドを使える新型SUVであるCX-5からとなるそうです。

では圧縮比14.0と言う話はどこから来たのだっけ? となりますが、欧州では95RONがほぼ標準なので、欧州では14.0となりそうです(ちなみにスカイアクティブのアクセラは日本とアメリカ、オーストラリアのみの展開、欧州はディーゼル仕様の登場とともに華々しく展開される予定です)。日本でもハイオク仕様で作れば14.0となるでしょう。

少し話がそれてしまいましたが、新型アクセラの圧縮比は12.0というわけです。

しかし注目はたくさんあります。

まず燃料噴射装置であるインジェクターは、6穴のマルチホールとして2段階噴射を可能にしています。これによってより空気と燃料を上手に混ぜられる他、筒内冷却効果を高めてノッキング(異常燃焼)を抑制しています。

そしてピストンも独特の形状です。キャビティ(くぼみ)付きのアルミ製としたことで冷却損失を抑えているほか、肉厚を削りピストンリングの張力を14%も低減して、軽量で低抵抗に仕上げています。

吸気側が電動となった可変バルブタイミング機構のデュアルS-VTも、吸気バルブの閉時期を110度と大幅な遅閉を可能にして、内部EGRを増加させられるようになっています。

ボア×ストロークは、83.5×91.2mmですから、相当ロングストローク。これで低回転時のトルクと省燃費を実現しているというわけです。

スペックは154ps/19.8kgmですから従来のMZR型2.0DISI型の150ps/19.0と比べると、大幅とは言えませんが向上しています。

それでいてエンジン単体としては従来型がバッテリー込みで196kgだったことに対して181kgと軽量化を果たしています。

今後は多くのモデルに採用されるであろうスカイアクティブ2.0ですが、トルクフルで扱いやすいことから、どんな車種に搭載されても優れた性能と燃費を実現するでしょう。

 

 

くぼみがあるピストン。冷却損失を減らすために独特の形状となっています。

マルチホールインジェクター。より均質で流動の強い混合気を生成します。

形状や肉厚を見直すことでコンロッドなどの軽量化を実現。

コチラも併せてお読み下さい。

https://clicccar.com/2011/10/24/73386

https://clicccar.com/2011/10/25/73526

オフィシャルサイトはコチラ

http://www.axela.mazda.co.jp/

(佐藤みきお)