既存のエンジンからエンジンを取り外し、モーターやバッテリーなどに積み替える、いわゆる「コンバート(コンバージョン)EV」。作るのがカンタンという声もありますが、それはあくまでクルマとして動くようになるまでの話。
たしかにモーターやコントローラについては様々なところでノウハウが蓄積され、「電気で走る」分にはそれほどハードルが高くなくなってきています。
ただし、動くのと、エンジン車並に快適なのは別。
とくに空調に関してはキビシイ状態で、メーカー製EVではあって当然の空調システムですが、コンバートEVでは冷房・暖房ともナシというのが暗黙の了解という部分もあり(法規の関係でデフロスターは必須ですが、ブロワーで風を送るだけのことが多い)。
そうした状況を打破してくれるのが、コチラ。
ワーテックスの『コンバージョンEV用エアコンシステム』です。
トラックなどのアイドリングストップ用電動エアコンシステムを展開している同社のリリースした、このエアコンシステムはベース車についていたエンジンで動かす前提のエアコンシステムのコンデンサなどを活かしたまま、電動コンプレッサに変えてしまうというもの。
これによって、コンバートEVでも冷房が使えるようになるのはもちろん、エアコン用の配管や吹き出し口などをベース車からそのまま利用できるというのはコスト面などでもメリット大。
電動エアコン用に専用バッテリー(12Vバッテリー×2)を積むので、エアコンの使用が航続距離への影響もないといいます。さらに暖房用にセラミックヒーターを開発中というのも見逃せないところ。
これによって、コンバートEVのブームがさらに加速するのかどうか、気になるアイテムです。
(山本晋也)