欧州で発売となった新型ビートルの意外な事実とは・・・

新型ビートルが7月に欧州で発売開始となりました。今回のビートルは「原点回帰」が開発テーマだそうで、「ニュー・ビートル」の延長ではないそうです。という訳で、「ザ・ビートル」に。

http://www.volkswagen.de/de/models/beetle.html

1998年に登場したニュー・ビートルは13年間で110万台を売ったようですが、意外に本国での人気はパッとしなかったようで、ドイツでの総販売台数は10万台程度だったとか。そう、実はこのクルマ、米国でヒットしていたのです。

なぜドイツで売れなかったかと言うと、余りにデザイン重視だった為、居住性が各所で犠牲になっていた事と、内容に比べて割高だった事が原因とか。そう言えば目前に広がる何やら壮大な奥行きのダッシュボードも違和感が有りました。

米国ではクルマ自体の出来の良さというよりも、キュートな外観と200万円を軽く切る破格の設定で、ある種オモチャ感覚がウケた理由だったのかもしれません。

欧州で売れなかった反省からか、「ザ・ビートル」ではGolf Ⅵのプラットフォームを流用して「クルマ」としての完成度を一気に上げたようです。サイドビューを新旧で比較してみると一目瞭然。居住性でルーフを高くする一方でアンダーボディを厚めにする事により、相対的に全高を低く見せており、見た目にスポーティな雰囲気に仕立て上げています。

そして勿論米人にウケる事も忘れていません。ビートルの生産工場が有るメキシコで同じく工場を構える楽器メーカーの「Fender」社とコラボして、オーディオにアメリカンサウンドを取り入れています。

Fender」と言えば、特別楽器好きで無くとも世界中で広く認知されている米国のギターメーカー。アメリカンなイメージアップに大いに貢献しそうです。 ただし、車内の音作りや製品としての耐久性などのノウハウは日本のカーオーディオの大手、パナソニックが裏方となって開発支援している模様。

「ザ・ビートル」の米国発売は秋、日本へは来年初旬に1.2Lターボ版が導入されるとの噂です。

(参考)ドイツ本国価格:192万円~306万円(2.0TSI) 
グレード:「ビートル」、「デザイン」、「スポーツ」の3種類

http://www.volkswagen.de/de/models/beetle/ausstattungsvarianten.html

こちらも併せてお読み下さい。 https://clicccar.com/2011/06/10/32520

(Avanti Yasunori )

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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