最終的にフィットシャトルハイブリッドを30km/Lにした部品がこれです

ハイブリッドだから燃費がいいのは当たり前、といっては身もフタもありません。

むしろ、ハイブリッドだから燃費が良くないと死活問題になってしまいます。

フィットシャトルハイブリッドの燃費は10・15モードで30.0km/Lですが、なんとなくそこまでピッタリだったら、必死になって「30キロ台です」と言えるようにがんばったんだろうな、と想像しちゃいます。マツダはデミオでハイブリッドナシのミラーサイクルで30km/Lを発表したばかりですしね。

そんな、おそらく爪に火を灯すような思いで開発が進められたことでしょう。

その爪火のひとつがこの、ブレーキパッドリターンスプリングです。

赤いV字状のパーツがそれです。

通常ディスクブレーキのパッドは、制動させる時は油圧でディスクローターに押し付けられますが、止まった後はそのままです。

次に走り出すとき、パッドに加わった油圧はかかってませんが、ローターには引っ付いている状態から走り出します。このわずかな抵抗を除くために、スプリングの力でローターからパッドを引き離そうというものです。

もちろん、これで大幅な燃費向上が望めるというワケではありませんが、これがなかったらフィットシャトルハイブリッドの燃費を30km/L台に押し上げることはできなかっただろうといいます。

ブレーキキャリパー内に納まっています。

ちなみに、ある程度上級車には他社も含め採用され、今現在採用車種は増えつつあるそうなので、効果は認められているものなのでしょう。

「チームが優勝するのはみんなの力をあわせたから」と聞こえたような気がしました。

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(小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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