ハイブリッドだから燃費がいいのは当たり前、といっては身もフタもありません。
むしろ、ハイブリッドだから燃費が良くないと死活問題になってしまいます。
フィットシャトルハイブリッドの燃費は10・15モードで30.0km/Lですが、なんとなくそこまでピッタリだったら、必死になって「30キロ台です」と言えるようにがんばったんだろうな、と想像しちゃいます。マツダはデミオでハイブリッドナシのミラーサイクルで30km/Lを発表したばかりですしね。
そんな、おそらく爪に火を灯すような思いで開発が進められたことでしょう。
その爪火のひとつがこの、ブレーキパッドリターンスプリングです。
通常ディスクブレーキのパッドは、制動させる時は油圧でディスクローターに押し付けられますが、止まった後はそのままです。
次に走り出すとき、パッドに加わった油圧はかかってませんが、ローターには引っ付いている状態から走り出します。このわずかな抵抗を除くために、スプリングの力でローターからパッドを引き離そうというものです。
もちろん、これで大幅な燃費向上が望めるというワケではありませんが、これがなかったらフィットシャトルハイブリッドの燃費を30km/L台に押し上げることはできなかっただろうといいます。
ちなみに、ある程度上級車には他社も含め採用され、今現在採用車種は増えつつあるそうなので、効果は認められているものなのでしょう。
「チームが優勝するのはみんなの力をあわせたから」と聞こえたような気がしました。
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(小林和久)