現在進められている対策は大きく分けて3種類有るようです。
①米、ベトナムなど中国以外でのレアアース確保
②レアアースのリサイクル手法確立
③レアアースを必要としないモーターの開発
なかでも②はレアアースが含まれている製品からリサイクルで抽出しようというもので、パソコン内のハードディスクが有望視されているそう。
というのも、パソコンのハードディスク内のネオジム磁石がネオジム(約25%)、ディスプロシウム(約4%)を含有しており、パソコンの再資源化施設などにおいて分離・選別すれば、比較的経済的にレアアースを取り出せると考えられているからです。
そうしたなか、産業技術総合研究所 と 近畿工業(株) が5月23日、共同でネオジム磁石を取り出す試作機を公開しました。
これまで、ハードディスク粉砕時に鉄片などが強固に固着してネオジム磁石が取り出せない事から、粉砕前に脱磁行程が必要となり、リサイクル時の大きな妨げになっていましたが、今回脱磁不要な抽出技術を可能にしたというもの。
ハードディスク内のネオジム磁石を含むボイスコイルモーターの位置を非破壊で検知し、非磁性鋼製の打ち抜き刃により、ハードディスクを脱磁することなくネオジム磁石だけを回収。
磁気センサーと位置センサーを組み合わせる事で、ハードディスクの製造年やメーカー、或いは投入の向きや裏表にかかわらず、ネオジム磁石の格納部分を瞬時に検知できると言います。
一方、③はトヨタ自動車が開発中のようで プリウス に使われている 永久磁石よりも軽量,且つエネルギー効率が高い 「誘導モーター」 がそれで、既に実用段階に入っているとの噂も。電流が流れている時のみ磁力を発生する原理のモーターのようです。
このように①~③のステップを踏みながら、脱レアアースの方向へ進んでいくものと思われます。 やはりここはハイブリッド技術で先行している日本が技術革新の先頭に立って、脱レアアース化を推し進めていくべきでしょう。
(Avanti Yasunori )