「足元を見る」のもアリですよね【ご当地マンホール】

[caption id=”attachment_27303″ align=”alignnone” width=”413″]埼玉県吉見町のマンホール 埼玉県吉見町のマンホール[/caption]

ドライブ中、何気なく走り過ぎていく道路。
左折/右折の矢印やスクールゾーンなどの文字には気を配っても、目にも留めずに通り過ぎてしまう「マンホール」の蓋に、その土地ならではのデザインが施されていることをご存知でしょうか。
主に、その市町村の花、樹木、鳥、また名物、史跡などの名所、景勝地、お祭りなどなどマンホールデザインを見れば、その土地の特色が一目瞭然なのです。

[caption id=”attachment_27301″ align=”alignnone” width=”413″]阿寒湖のマンホール 阿寒湖には4〜5種類のマンホールがある[/caption]

明治時代、下水道の普及とともに誕生したマンホール。
その蓋にご当地デザインが採用されるようになったのは、意外なことに80年代と割と最近。
「町おこしブーム」から爆発的に増えていき、86年には「下水道マンホール蓋デザイン20選」、93年には「グラウンドマンホールデザイン250選」が選ばれ、デザインマンホールへの注目度は「日本のマンホール写真集」が発行されるまでに及んだのです。

[caption id=”attachment_27302″ align=”alignnone” width=”413″]宮城県宮古のマンホール 宮城県宮古のマンホール[/caption]

マンホールには、下水/汚水/雨水/電気などがありますが、デザインが施されているのは主に下水と汚水。
なので、下水道が整備されていないところでは見ることができず、逆にどんな山奥でも下水道があるかどうかはマンホールで分かるのです。

[caption id=”attachment_27309″ align=”alignnone” width=”413″]相模湖のマンホール 相模湖のマンホール[/caption]

蓋の寿命は約15年で、タイヤなどによる摩擦で蓋面の凹凸が磨り減る度合いを見て決めます。
マンホールが誕生した当時、タイヤのスリップ防止のために幾何学模様のような凹凸をつけたのがデザインのはじまりで、理想的な凹凸の割合は2:1となっており、デザインを決定する際にも重要なポイントとなっています。

[caption id=”attachment_26394″ align=”alignnone” width=”450″]マンホールの蓋 出雲市は日御碕灯台[/caption]

ちなみに、そのデザインはどうやって決まるのかというと、稀に一般公募する場合もあるがほとんどは蓋を造っている製造工場がデザインも手がけ、最終的には各市町村が選定しています。
地面にあるものなので宗教的意味合いのあるもの(神社やお寺、教会など)は「踏みたくない」「踏まれたくない」と敬遠され、出雲大社で有名な出雲市のマンホールも蓋のデザインは日御碕灯台です。

[caption id=”attachment_27304″ align=”alignnone” width=”300″]ツインリンクもてぎのマンホール ツインリンクもてぎのマンホール[/caption]

こうしたマンホールの蓋の写真を集めるのが趣味なのですが、一番の喜びはピンポイントでしか存在しないデザインを見つけたとき!
たとえば栃木県の「ツインリンクもてぎ」では、オリジナルロゴマークが蓋にデザインされています。
「名探偵コナン」(鳥取県)、「アンパンマン」(高知県)などのアニメ柄、フルカラーのものや、鋳物ではない素材の蓋なども見つけるといいことがありそうな気がするくらい嬉しいものです。

皆さんの地元はどんなデザインですか?

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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