【EV JAPAN】伝説の名車がEVで復活! 京都大学がベンチャーで仕掛ける電気自動車の可能性!

1997年に発売されたトミーカイラZZ。アルミのシャシーにFRPのボディを被せたレーシングカーのような作りは、ライトウェイトスポーツとして国内外で大いに注目を集めたと記憶しています。もし今も製造されていれば、ロータス・エリーゼの強力なライバルとなったでしょうが、ビジネスとしては続かなかったのが残念です。

ところで、その軽量ボディを活かして走りの楽しいEVを作ってしまおうというのが、グリーンロードモータース(株)から始まりました。グリーンロードモータースとはなんと京都大学のベンチャー・ビジネス・ラボラトリー内にある、つまり学校の中の会社です。その名も「トミーカイラZZ-EVスポーツ」と名を冠して、ZZは電気自動車として復活! 予約の受付がスタートしました。

注目点はなんといっても軽いことで、車両重量は640 kgしかありません。エリーゼのシャシーを使うテスラ・ロードスターが1200kgオーバーだけに、十分に軽量ですね。もっとも最高速度約200km/hというテスラに対して、ZZ EVスポーツは150km/hであり、バッテリーの搭載量、出力や航続距離や価格などに違いあるため単純に比較をするわけにはいきませんが、走りの楽しさは十分に想像できます。それに、なにより既存のメーカーではなく、しかも大学の研究でもなくベンチャービジネスとしてスポーツEVを作ろうって意気込みは、ただ単純にスゴイよなぁ、なんて思ってしまうわけです。

こうして大学で実地訓練した学生が自動車メーカーや電機メーカーに就職して、日本の物作りを支えていくのでしょう。製造はZZが英国製で輸入されていたことに対して、 ZZ-EVスポーツは、メイド・イン・ジャパンとなるそうです。気になる価格は680万円(税抜き)で、補助金上限額は150万円。「テスラの1800万円はゼッタイムリだけど、それくらいなら現実的」という人も多いのでしょう。すでに問い合わせが多数来ているそうです。さらに、クローズドボディのZZⅡ-EVスポーツの開発も始まっています。ビジネスとしても、純粋に楽しいクルマとしても、これからも目が離せない存在になりそうですね。

 


全長3630mm×全幅1740mm×全高1110mmというコンパクトなボディ。


リチウムイオンバッテリーを搭載し、充電は100Vで4時間、200Vで1時間。1充電走行距離は100kmとなっている。

 

http://www.greenlordmotors.co.jp/Product.html

(佐藤みきお)