アクティブセーフティの基本は、減速・停止すること。
前走車との距離を測って自動的に速度を調整する装置、障害物を認識して停止速度までブレーキをかける装置などなどの安全装置が開発されています。
また、最近ではセンサーなどで周囲の状況を把握して、アクセルとブレーキペダルの踏み間違えさえカバーしてくれるシステムも生まれています。
そうしたブレーキングサポート・システムに、また新しい技術が生まれました。
ドイツの研究所でシミュレーターを使って実験されたという、新しいシステムを一言でいえば「減速したいと思い浮かべるとクルマがブレーキをかける装置」。
その実験シーンの映像が公開されました。
種明かしをすると、このシステムが監視しているのは厳密にいうと脳内のイメージというわけではないようです。ブレーキを踏もむべく足を動かそうとする筋肉へ命令を伝える信号を発するのを読み取り、それに応じて機械の側でブレーキをかけるということ。
ですから、その意味においては”足を踏みかえる”という意識のない状況におけるブレーキとアクセルの踏み間違えを防止するのは難しいかもしれませんが、足を踏みかえるという意識はあるけれど、なぜか右足がアクセルペダル上で突っ張ってしまったというシチュエーションの事故は防げるかもしれません。
また、このシステムは冒頭で書いたようなレーダーなどを利用したブレーキ補助システムと併用することを前提とした、ブレーキングアシストのシステムであって、思い浮かべただけで運転できるようになるというものではないそうですが、こうした安全装置が実現すれば、より事故の少ないクルマ社会につながることは間違いなし。
もっとも、映像にあるように脳波を測定する帽子を被って運転するのは、ちょっと勘弁でしょうか。
(山本晋也)