あっと驚くのが、これ。形がすごかったりするんじゃないのですが、フィアット500とはどこか違う。そうですフィアット500をベースに、2+2のクーペスタイルにしてしまったのがこのモデルです。オリジナルからルーフを低くし、ダブル・ハンプ(2つのこぶ)と呼ばれる左右に盛り上がった形状にしてドライバーとコ・ドライバーの頭上空間を確保しています。
50年代のザガートとのよき関係の本格復活を示唆するかのようなコラボですが、フィッアット500を基本にしながらルーフを下げてクーペを作るというオーソドックスさも非常に素敵です。
このチョップ・ド・ルーフのようなモデルの全高は1490mm。あれっ? と思いますよね。オリジナルが1515mmなので、たいして全高もちがっていないのです。それなのにこんなスタイリッシュに見えちゃうのは、ドア中央くらいからの強いルーフの傾斜によるもののようです。これによってオリジナルに比べ、サイドウィンドウの面積は圧倒的に小さく、高めのボディサイドとの対比で、かなり全高が低くなったように感じるのでしょう。
この形ですとフロントウィンドウも含めてサイド、リアともウィンドウは完全に専用設計となっているようです。実はフロントウィンドウの上端の形状の違いもオリジナルとの印象の違いに大きく貢献しています。
サイドミラーをブラックアウト化しているのは、サイドビューはやはり一番のアピールポイイントとして強調したい証拠でしょう。しかしそれなら、もっと小さなサイドミラーを奢ってもいいところ。なのに、これはオリジナルをそのまま色をかえて利用しています。ということは、もしかして単にコンセプトでは終わらない可能性もかなりあるのかもしれません。
そうしてみるとルーフスポイラー一体で開くハッチゲートの考え方や、バンパーの形状や細部の装備類など、なんか本当にコンセプトなの? と思わせる現実的なつくりになてっていると思いませんか? ちょっと期待したいですね。
(MATSUNAGA, Hironobu)