カロッツェリアの新作ドラレコ「VREC-DH300D」は高性能が直感的に使えて初心者にもおススメ!

■いまやドライブレコーダーはクルマ生活の必需品!

カロッツェリア VREC-DH300D
万一の時のためにもドライブレコーダーは欠かせません。

今の時期は、スタートの季節。「クルマに乗り始めた!」という方も多いのではないでしょうか。カーライフのスタートには不安もありますが、その解消に役立つアイテムといえば「ドラレコ」。そう、ドライブレコーダーですよね。

そんな折、カロッツェリアから気になるドラレコが発売されました。それが「VREC-DH300D」。カーAVのトップブランドがドラレコユーザーの要望や悩みをしっかり受け止め、性能や使い勝手にこだわったモデルだそうです。早速試す機会があったので、速攻レポートをお届けしましょう。

●上質なデジカメを思わせるデザイン

カロッツェリア VREC-DH300D
カロッツェリア VREC-DH300D(2021年5月発売予定)。実勢価格は税込みで2万6000円前後を想定。

まず商品の構成から。「VREC-DH300D」は、フロントカメラとリアカメラがセットになったドライブレコーダーユニットです。一般的な2カメラタイプのドライブレコーダーと比べ、電源差込口の配置やL型の電源端子により配線の露出を最小限に抑え、スッキリと取り付けることができます。「リアウインドウがスモークで暗くなってるんだけど…」といった方も大丈夫。色の濃さに合わせてリアカメラの露出が9段階に補正できます。

カロッツェリア VREC-DH300D
ピアノブラックとマットブラックのコンビネーションは高級感があります。

デリカD:5に装着された「VREC-DH300D」のたたずまいは、とてもすっきりした印象。ピアノブラックとマットブラックを組み合わせた本体は高級感があり、上質なコンデジを思わせます。左右幅は90.5mmとコンパクトなのですが、それが使いにくさとはなっていません。このサイズとしては破格の大画面3インチ液晶を備えているうえ、後述するような優れた操作性を備えているからです。

●370万画素(フロントカメラ)という高画素数を実現!

カロッツェリア VREC-DH300D
左が低画素、右が高画素の映像。画素数が高いほど画質が精細になります。

では基本となるカメラの性能をチェック。カロッツェリアはこれまでのドラレコユーザーから聞こえてくる「映像が暗くて何が映っているかわからなかった」という声に応えるため、さまざまな技術や機能を盛り込んだそうです。

カロッツェリア VREC-DH300D
リアカメラ。200万画素、F値1.8という十分なスペック。

まずセンサーの画素数ですが、フロントが約370万画素、リアが約200万画素という第1級のスペックを実現。明るさにもこだわりました。普通、画素数が上がると受光素子の面積が小さくなって記録映像が暗くなってしまうのですが、「VREC-DH300D」の場合はフロントにF値1.4、リアにF値1.8(F値はレンズの明るさの数値、小さいほど明るい)という高級カメラなみの明るいレンズを使うことで、この問題を解決しています。画像処理エンジンは、開発スタッフが膨大な距離を走ってチューニング。走る場所に応じてレンズのF値を最適化するほか、明るい部分と暗い部分が見にくくならないよう自動で露出補正も行います。

カロッツェリア VREC-DH300D
デリカD:5に装着して都内をドライブ。

実際に都心を走って画像を確認してみました。2560×1440ピクセル(※リアカメラは1920×1080ピクセル)で収録できる高精細画像は、白飛びや黒つぶれが気にならず、キリッとした印象です。数台分離れたクルマのナンバープレートもはっきり認識できます。事故のときなどにモノをいう画角の広さも適切。信号待ちをする歩行者など、周囲の状況まできちんと記録していました。

カロッツェリア VREC-DH300D
<実際の撮影映像のキャプチャ画像>フロントカメラの画像。明所、暗所ともに見やすく、画角の広さも十分です。
カロッツェリア VREC-DH300D
<実際の撮影映像のキャプチャ画像>リアカメラの映像。明るさがフラットで見やすい印象です。
カロッツェリア VREC-DH300D
郊外のバイパスを走っている程度に車間距離を空けて車両の見え方をチェックしてみると。
カロッツェリア VREC-DH300D
<実際の撮影映像のキャプチャ画像>離れていますが、ナンバープレートの視認性はバッチリ。
カロッツェリア VREC-DH300D
<実際の撮影映像のキャプチャ画像>同じ設定のリアカメラの映像。こちらのナンバーもクッキリ。


●ユーザーインターフェイスも秀逸!ボタン操作も快適

カロッツェリア VREC-DH300D
手動で動画を残したいときは上面右上のボタンにタッチ。ブラインド操作が可能です。
カロッツェリア VREC-DH300D
ボディ右側にあるボタンの操作が液晶に表示されるので迷いません。

もうひとつ、走行時に気付いたのは操作のしやすさです。すでにドラレコを使われている方は、ボタンが小さくて操作しにくかったり、押し間違えてイライラしたりした経験はないでしょうか。「VREC-DH300D」は違います。

設定はボディ右側の4つのボタンで行うのですが、そのボタン操作が配置通りに液晶表示されるんです。このため押し間違えることなく、意図した設定をサクサク行えました。同様にイベント録画(残しておきたい映像を保存する機能。衝撃感知時には自動で行われます)を手動で行いたい時は、ボディ上面右端にあるボタンをタッチ。カメラのシャッターと同じ配置なので直感的にブラインド操作ができて、これもうまい配置だなと思いました。

●暗い場所も自信あり。別売りユニットで駐車監視も可能!

カロッツェリア VREC-DH300D
STARVIS搭載のソニー製CMOSセンサーとF値1.4という明るいレンズで暗所もクッキリ。

ドラレコでは、暗い場所での録画性能を気にされる方も多いのではないでしょうか。この点も「VREC-DH300D」はぬかりありません。地下駐車場を使って検証してみました。

「VREC-DH300D」はフロントカメラ/リアカメラともに、STARVIS技術搭載のソニー製CMOSセンサーを採用しており、夜間の高解像度録画「ナイトサイト」に対応しています。この効果が、「VREC-DH300D」の搭載する明るいレンズと相まって、頼もしい映像を再生してくれるのです。ヘッドライトを消して駐車場の蛍光灯だけに頼っても、前後の車両のナンバープレートがしっかり視認できます。郊外路の走行時を想定して車間距離を空けてみましたが、ナンバーは読み取り可能でした。

カロッツェリア VREC-DH300D
地下駐車場でも、車間距離を空けて見え方をチェック。
カロッツェリア VREC-DH300D
<実際の撮影映像のキャプチャ画像を拡大加工>駐車場の蛍光灯だけで収録したVREC-DH300Dの映像。明るさが補正されてナンバープレートがクッキリ。
カロッツェリア VREC-DH300D
<実際の撮影映像のキャプチャ画像を拡大加工>ここでもバイパス走行をイメージして車間距離を空けてみましたが、ナンバーの数字は視認できます。
カロッツェリア VREC-DH300D
<実際の撮影映像のキャプチャ画像を拡大加工>リアカメラの映像。こちらも明るくナンバーの数字がハッキリ。
カロッツェリア VREC-DH300D
<実際の撮影映像のキャプチャ画像を拡大加工>フロントと同様に車間距離を空けても優れた視認性を確保。
駐車監視ユニットRD-DR001
駐車監視ユニットRD-DR001(2021年夏発売予定)。バッテリー電圧も監視してくれます。

暗所での優れた性能は、夜間のドライブに加えて、駐車場でのセキュリティにも役立ちます。「VREC-DH300D」は別売りの駐車監視ユニット「RD-DR001」を組み合わせることで、駐車中も作動させることができるのです。タイマーが設定できて最大12時間(※SDカードの容量にも依存します)の駐車監視が可能。クルマのバッテリー電圧もモニターしていて、電圧低下の際は自動で録画を停止してくれるすぐれものです。

●SDカードの寿命を知らせる親切設計

カロッツェリア VREC-DH300D
VREC-DH300DではmicroSDカードを使用します。

ドラレコを使っていると、記憶媒体であるSDカードのエラーで「画像が撮れていなかった」というトラブルが起きることがあります。「VREC-DH300D」にはこんな不具合を低減する工夫も。それがSDカードの安心機能です。

パイオニア製SDカード
パイオニア製SDカードなら書き込み回数をカウントし、交換時期を教えてくれます。

この機能、SDカードの空き容量や書き込み速度などを定期的に検知し、フォーマットのタイミングなどを知らせてくれるもの。さらに別売りのパイオニア製ドライブレコーダー用SDカードを使用すれば、書き込み回数も自動で確認し、SDカードの寿命まで警告してくれる親切設計です。高温や振動など、ドラレコのSDカードは過酷な状況にさらされるので、このあたりはさすがクルマを知り抜いたカロッツェリアならではの配慮だと思いました。

カロッツェリア VREC-DH300D
SDカードの交換を勧める画面。

「高性能が直感的に使える、人に優しいドライブレコーダー」。「VREC-DH300D」と1日走り回ってそんな印象を持ちました。高画素カメラや明るいレンズ、暗さにも強いCMOSセンサーが優れた性能を実現しつつ、その性能を分かりやすい操作性とスタイリッシュなボディに融合させた点が画期的だと思います。ドラレコ買い替えを検討中の方はもちろん、初めてドラレコを買うという方も安心です。ぜひカー用品店などで実物をご覧になることをおススメしますよ。

実勢価格は税込みで2万6000円前後を想定しているそうです。

(文:角田 伸幸/写真:前田 惠介、パイオニア)

【関連リンク】

・カロッツェリア「VREC-DH300D」製品情報ページ
https://jpn.pioneer/ja/carrozzeria/recorder_sd/vrec-dh300d/

この記事の著者

角田伸幸 近影

角田伸幸

1963年、群馬県のプロレタリアートの家庭に生まれる(笑)。富士重工の新米工員だった父親がスバル360の開発に立ち会っためぐり合わせか、その息子も昭和期によくいた「走っている車の名前が全部言える子供」として育つ。
上京して社会人になるも車以上に情熱を注げる対象が見つけられず、自動車メディアを転々。「ベストカー」「XaCAR」で副編集長を務めたのち、ポリフォニー・デジタルにてPlayStation用ソフトウェア「グランツーリスモ」シリーズのテキストライティングに携わる。すでに老境に至るも新しモノ好きで、CASEやパワートレインの行方に興味津々。日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定取得。大好物は豚ホルモン(ガツとカシラ)。
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