【マツダ・CX-8試乗】ミニバンから撤退したマツダが作る、形を変えたミニバン

マツダはミニバンという、日本では「テッパン」のニーズがあるジャンルから撤退しました。その代わりとしてSUVへ資源を投入しクルマ作りを行うという姿勢になり、CXシリーズの充実が図られてきました。

しかしミニバンとSUVの違いとは一体なんでしょう? たしかに1ボックスタイプのボディはいかにもミニバンですが、マツダの初代MPVなどはボンネットのあるスタイリングでパッケージング的にはSUVでしたし、三菱のデリカシリーズはパッケージングこそミニバンや1ボックスと呼ばれるものですが、クルマの性能的にはSUVといっても間違いのない存在です。

ミニバンから撤退するというセンセーショナルな言葉は、マツダの心意気を表現したようなものだと私は考えます。ですので、マツダらしい躍動感にあふれるミニバン(のような性能を持った)をSUVとして作る……というのが回答で、その結果が3列シートレイアウトを採用したCX-8や北米中心で販売されているCX-9であると理解しています。

さて、そのCX-8です。ベースは前出のCX-9です。ホイールベースも2930mmとCX-9と同じ。ボディはCX-5と共通性を感じられ、全幅に関してはCX-5と同じ1840mmです。全長はCX-5よりも355mm長く、全高は40mm高くなっています。

この全長と全高が3列シートレイアウトを実現するためのベースということになります。

(文・写真:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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