日産の小型トラックが二つの世界初アイテムを手に入れた

積載量1.15~2.0tという日産のトラック「アトラスF24」に小型トラックとしては世界初となる安全装備が用意されました。

それが『マルチビューモニターシステム』です。

すでに日産のミニバンなどでは、四隅のカメラの画像を合成することでクルマを真上から見たような表示を可能とした『アラウンドビューモニター』がおなじみとなっていますが、アトラスF24に世界初採用された『マルチビューモニターシステム』は、その技術をトラック向けに発展させたものといえます。

ルームミラーの場所に置かれたハイマウントモニターには、状況に応じた画像が映し出され、安全確認をサポートします。通常の運転時にはルームミラーで後方を見ているのと同様の映像「ルームミラービュー」となります。後退時には、リバースモードとなり、車両を上方から見下ろしているような 「トップビュー」が表示されます。

さらに建物の軒下との干渉を確認できる車両後部上方の映像「ルーフビュー」、車両後方障害物の確認をサポートする「リア ビュー」も設定されています。また右左折の際のターンレバー作動時は、車両の前部から後部までの側面周囲の映像「サイドビュー」となり、左折時の 巻き込み防止に役立つとのこと。

 

アトラスF24の世界初はこれだけではありません。

電気自動車の開発により実現したリチウムイオン電池テクノロジーを利用して、エンジンを一切使用せずに、常時リチウムイオ ンバッテリーシステムだけで冷蔵冷凍荷室を継続的に稼働させる、世界初のトラック「アトラスF24リチウムイオンバッテリー式冷蔵・冷凍車」を生み出しました。

まずは、2013年1月から1年間、ヤマト運輸へ貸与した車両にて実証運行を実施。バッテリーによる冷蔵・冷凍は、エンジンへの負荷がゼロになるため車両燃費の改善が期待されるだけでなく、荷室の温度管理がしやすいというメリットもあるとのことです。

さらに、「アトラスF24リチウムイオンバッテリー式冷蔵・冷凍車」の標準モデルを2013年初夏に国内で発売する予定。リチウムイオン電池の幅広い活用により、電気自動車へのコストダウン方面での好影響も期待したい新技術といえそうです。

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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