モーターショーの楽しみかた その3「コンセプトカーのタイヤに注目してみる」【東京モーターショー】

モーターショーの楽しみ方、というかコンセプトカーの見方の第三弾です(第一弾はコチラ第二弾はコチラ)。

 

壇上にあるコンセプトカーを見たときに、自然と目線の先にあるパーツ。今回は、タイヤに注目してみましょう。

 

たとえば、スズキが出品する「スイフト EVハイブリッド」。既報の通り、最新の軽自動車用エンジンで発電機を回し、モーターでタイヤを駆動するというシリーズ・ハイブリッドで、さらにコンセントから充電できるプラグインとすることで省燃費と軽量化、低コストを狙うという現実味があるコンセプトカーです。

とはいえ、グリルやヘッドライト、ホイールのデザインが、いかにもコンセプトカー然としているので現実性は薄いように思えるかもしれません。

 

が、このクルマのタイヤに注目すると意外なことに気付きます。

 

リアタイヤに寄ってとタイヤの銘柄を確認してみましょう。

タイヤの銘柄は「ダンロップ・エナセーブEC202」なのです。さらに別の部分をアップにすると、そのサイズが 175/60R16 82H と表記されているように見えます。

 

このタイヤ、このサイズは市販されているもので、ネットで検索すると安いショップでは8000円以下で入手可能。コンセプトカーに使われているパーツと聞くと、スペシャルで一般には手に入らないようなイメージがありますが、このスイフト EVハイブリッドに関していえば、どこでも買えるタイヤを使っているのです。

 

つまり、このコンセプトカーは一見すると未来カーのようで、その実態は意外なくらいリアリティある存在だと考えられるわけ。

 

だからといって、市販直前! とまでは言えませんが、それでも市販品とはまったく異なるスペシャルなタイヤを履いているコンセプトカーに比べると、ずっと実現性が高いとは言えましょう。

 

ひと目で銘柄とサイズが市販品かどうか、わかりづらいかもしれませんが、タイヤメーカーのブースにヒントがあることもあります。

 

気になるコンセプトカーがあったら、その足元で確認したタイヤメーカーのブースにも足を運んでみてはいかがですか?

 

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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