■どうなる?緊急事態宣言解除後の、クルマを巡る環境
緊急事態宣言が解除された。今後、クルマを巡る環境はどうなっていくだろう? まず最も気になる「需要」だけれど、減ることはない。というのも新型コロナに対応出来るワクチンが作れるのは早くて年内。しかも”今のタイプの新型コロナ”に効果を発揮するだけで、インフルエンザのように変異してしまったら空振りになってしまう。決定的なワクチンって難しいという。
治療薬の方は可能性大きいため、インフルエンザのような対応になると思う。ただ罹患しない方が良いことに変わりない。となれば公共の交通機関より安全なクルマは、今より重要な移動手段になることだろう。実際、テレワーク化により企業も都心から移転する傾向にあるし、駐車場コスト掛かる駅の近所からクルマを移動手段として使える郊外に引っ越そうという動きも出ている。
新型コロナ後の新しいライフスタイルは、移動の手段が公共の交通機関からクルマかバイク、自転車に移っていくことだろう。ただバイクも自転車も事故を考えなくちゃならない。新型コロナで死亡する確率と、自転車で死亡する確率をテンビンに掛ける必要がある。ある程度の距離を自転車で通勤するときの危険度、公共の交通機関で新型コロナに掛かる可能性より高いと考えます。
もう一つ留意したい状況が出てくると思う。一般的に言われている2極化だ。いや、どうやら3極化しそう。官公庁や経営が安定している大企業、ある程度の貯蓄を持っている年金生活の人達は、新型コロナでも収入変わらない。今まで通りの生活を続けられる。
そして新中間層。新型コロナ後に収益が減少する職種は、仕事あるけれど減収になります。今までより生活コスト削らなければならない。
3つ目がクルマを買うことの出来ない層。新型コロナで一段と厳しくなっていくと思う。救えるのは民間じゃなく社会構造です。厳しいと思っている層は次の選挙で良い政治家を選ぶことしかないだろう。
ということで自動車業界的には「今まで通りの人達」と「少し節約しなくちゃならない人」に満足してもらえるクルマを提供することだと思う。コストパフォーマンス高いモデルも必要だ。
つまり新型ハリアーに代表される今までと同じ生活をしている人達に向けたクルマ作りと、1990年のバブル景気崩壊後に規格されたホンダオデッセイやCR-V、ステップワゴンのような「手頃な価格で買える新しい価値観を持ったクルマ」が必要になってくることだろう。新型コロナ後、大幅に販売台数を落とすメーカーも出てくること間違いなし。新しい方向を狙えないメーカーは一段と厳しい!
こういった状況は世界規模で起きると思う。加えて今年と来年についていえば販売台数も激減。売れているメーカーと、売れ行きを落とすメーカーの違いも顕著になっていく。ほとんど新型コロナの影響を受けていない2019年4月~2020年3月期決算で大幅減収になったメーカーは厳しい。残念ながら日本の自動車メーカーも2つくらい実質的に脱落する可能性が出てきました。頑張って欲しい!