■研究開発部門の機材を利用してコロナに対抗
世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルス。日本国内での緊急事態宣言は一応解除されたものの、現在でも気を抜くことができないのは紛れもない事実でしょう。
さまざまな企業がコロナ対策としていろいろなアプローチを行っています。そうしたなかマツダもコロナ対策としてフェイスシールドの構成部品の製造を担うことになりました。このフェイスシールドは頭部にはめるフレーム部分と実際に顔を保護するシールド部分の2つの構成部品が使われています。マツダが製造することになったのはフェイスシールドフレームと呼ばれる部分となります。シールド部分は広島県内にある石井表記という企業が担当。石井表記はアクセラやCX-5のマツダコネクト部分に使われているパーツを製造する関連会社で、チーム広島でコロナに対抗するという気持ちが強く表れています。
フレーム部分を製造するのは製造ラインではなく、研究開発部門となります。普段は研究開発のためにバンパーなどを製造している樹脂の射出成形機を用い、PP(ポリプロピレン)を原料とし、1分間に2個がアウトプットされます。成型には金型なども必要となりますが、開発着手から製品化まで約1カ月で実現。1日に300〜600個の製造を可能として、2020年5月末までに3000個を広島県に納入予定ということです。
当初は医療機関などで利用されることを前提としていますが、いずれは同社工場での使用も考えられているとのこと。販売などは予定されておらず、あくまでも寄付を基本に考えているとのことです。そのため、製品番号は記載されますが、マツダの名前やロゴは記載されません。なおこのフェイスシールドは、広島県内の医療機器・医薬品製造販売事業者であるジェイ・エム・エスがアフターケアを対応。リフィル用のシールドなどの販売を手がけるとのことです。
(文/諸星陽一)