古くなったスタッドレスタイヤはダメなのか? 「長く効く」横浜ゴムのアイスガード6で試してみた!

■新品タイヤと経年劣化タイヤ。乗り比べても差が分からない!?

北海道旭川市にある「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」で行われたプレス向けのスタッドレスタイヤ試乗会には多くのメニューが用意されていました。まず、2018年1月から稼動された、冬用タイヤの氷上性能をテストする屋内氷盤試験場において、新品タイヤと4年相当の経年劣化を人工的に行ったタイヤを試乗しました。

ヨコハマタイヤ アイスガード6
「iceGUARD 6」の新品タイヤと4年相当の経年劣化タイヤを乗り比べて比較

カローラスポーツ(4WD)に装着されていたのは、第6世代で2017年に発売された「iceGUARD 6(iG60)」。4年相当の経年劣化のタイヤは、約70℃のオーブンに入れ、1週間ほど劣化させたタイヤ。なお、実際の保管を想定すると、ガレージなどの屋内でカバーを掛けた状態に相当するそう。つまり、保存状態は良好と想定された人工的な経年劣化タイヤになります。

ヨコハマタイヤ アイスガード6
テストしたのは「iceGUARD 6」。カローラスポーツは4WD

新品タイヤに対して、経年劣化したスタッドレスタイヤは、一般的にゴムが硬くなり、タイヤの氷雪性能が著しく低下するそう。使用期間が長くなるほど、タイヤ内のオイル量が減り、ゴムの硬度が硬くなってしまいます。ゴムの柔らかさ、しなやかさが重要になります。

試乗前に新品の「iceGUARD 6(iG60)」と、4年相当の経年劣化タイヤのトレッドを触って比べてみてもその差は正直分かりませんでした。つまり、4年相当の経年劣化が施されたタイヤでも柔らかさ、しなやかさが確保されていることになります。ただし、先述したように、保管状態は良好といえる状態だったそうで、屋外などで保管された経年劣化タイヤとは条件(状態)は違うかもしれません。

ヨコハマタイヤ アイスガード6

ヨコハマタイヤの「iceGUARD 6(iG60)」は、オレンジオイルS(オレンジ由来の素材)が新たに採用され、長く効果が持続するのが特徴。なお、「IG50 PLUS」と同等の長く効く性能が確保されているそうです。

ヨコハマタイヤ アイスガード6
ヨコハマタイヤの「iceGUARD 6」

試乗では、屋内氷盤試験場を20km/h程度で走行し、ブレーキポイントで強いブレーキで止まるというメニュー。横浜ゴムのデータでは、氷上制動(-6.2℃)において新品を「100」としたときに「99.5」のアイス制動が確保されています。

ヨコハマタイヤ アイスガード6
4年相当の経年劣化タイヤと新品を比較

何度か試す機会がありましたが、発進性、制動性能共にその差はほとんど感じられず、もし目隠しして車両に乗り込むブラインドテストを行ったら、当てる自信は正直ありません。スタッドレスタイヤの交換サイクルは、走行距離や保存状態によりますが、一般的には3年程度といわれています。経年劣化でも性能の変化が抑えられている「iceGUARD 6(iG60)」は、コストパフォーマンスも良好といえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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