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■マニュアルエアコンより燃費もよい
●制御には多くのセンサーが必要
冷暖房を効かしたい場合、多くのドライバーはオートエアコンを使います。オートエアコンは、車内外の変化に対応して吹き出し温度や風量を自動調整して車室内を快適にしてくれます。
ドライバーからエアコン操作の煩わしさを開放するオートエアコンの仕組みについて、解説していきます。
●オートエアコンの基本
多くのドライバーは、冷暖房を入れるときにはオートエアコンのスイッチを入れて、目標温度を設定するだけではないでしょうか。
最近のオートエアコンは、燃費への影響を最小限にするようにパワートレインも制御しながら、温度や風量、湿度などを管理します。また機能も充実しているので、一般的な寒暑の条件下では快適に運転できます。
ドライバーがマニュアル操作で調整するより、燃費については良い結果が出るはずです。
●オートエアコンの基本制御
オートエアコンと言っても、その制御内容はメーカーやクルマによって異なります。どこまで自動制御にするかについては、クルマのコンセプトや車格などに応じてメーカーが決めます。
オートエアコンの基本は、吹き出し温度や風量、湿度の制御ですが、制御のために多くのセンサーを装備しています。
・車室内温度を検出する温度センサー
・窓ガラス近傍の湿度を検出する湿度センサー
・外気温度を検出する外気温センサー
・車室内に侵入する日射量を検出する日射センサー
・エバポレーターの能力を検出するエバポレーター温度センサー
エアコンECUはそれらの情報を使って、エアコンの吹き出し温度(エアミックスバルブの開度)や風量(エアブロアの回転)、コンプレッサーを制御して車室内の空調状態を最適化します。
●その他の制御
基本的な制御以外にも、より快適な空調状態を目指してさまざまな制御を採用しています。
・内外気切り換え制御
通常は外気導入ですが、設定温度と目標温度の差が大きい場合は、効率の良い内気循環に切り換えて速冷速暖を行います。
・内気循環と外気導入の切り換え制御
渋滞に巻き込まれた等で車室外の排ガス濃度が高いことを排気ガスセンサーが検出した場合には、内気循環に切り換えて外気からの排出ガスの進入を防止します。
・吹き出し口切り換え制御
吹き出し口制御では、夏季はFACEモード、冬季はFOOTモードにするのが基本です。赤外線センサーを使って乗員の温感を察知して、引き出し口を切り換える制御も一部で採用されています。
●外気導入か内気循環か
マニュアル操作の場合は、換気ができて酸素濃度が下がらない(眠くならない)ことや窓ガラスが曇りにくいなどを考慮して、メーカーは外気導入にすることを推奨しています。一方で内気循環のメリットは、冷暖房が早く効く、車外の排出ガスや異臭、花粉などが侵入しにくい、僅かですが燃費が良くなることです。
オートエアコンでは、これらを考慮して内気循環と外気導入を自動で切り換えます。
現在クルマに求められているのは、低燃費と安全ですが、快適性についても従来にも増して高いレベルが求められています。
オートエアコンは、多くのセンサーを駆使して燃費と快適性の両立を図っています。快適性については多少の個人差がありますが、燃費重視ならオートエアコン任せの方が良いと思います。
(Mr.ソラン)