●毎年のように改良を重ね、大人のセダンとして熟成されたWRX S4
インプレッサのスポーツ系を受け継ぐかたちで2014年にデビューしたWRX S4。デビューから5年を経たモデルですが、毎年のように改良を重ねてきました。
今回の改良は、ハイビームアシストが作動する車速を変更(40km/h→30km/h)したことと、トランクの開閉方法を変更したことの2点。トランクは、全ドアがロックされていないときは、キーを携帯しないでも開閉が可能になるというものです。
走りには関係ないレベルの改良ですが、乗ってみるとこれがびっくり、初期のモデルで感じた大人っぽく落ち着いた印象の乗りをさらにアップしてました。もともとS4は300馬力の出力を持つエンジンを積むモデルとは思えないほどに乗り心地がいいモデルでしたが、その感覚がさらにアップしていたのです。
とくに発表されていなくても、クルマは小さな変更や組み付け方法の変更などが行われることで、乗り心地などが少しづつ変化しています。今回乗った2019年モデルの乗りやすさは、今までと比べてピカイチのものでした。
パワフルでありながら、ゆったりとした乗り心地を確保。それでいてスポーティに走らせようとすると、十分過ぎるほどのパフォーマンスを発揮する……このフィーリングはそのままですが、乗り心地はさらによくなり、スポーティさはカドがなくなり、扱いやすいままビシッと走ります。
国産のこのクラスのセダンで、この総合性能の高さを持つのは希有な存在と言えます。
今回の改良でハイビームアシストの作動開始速度が30km/hとなったことで、より実用性の高さを感じることができました。都内湾岸地域のトンネルでもスムーズに作動し、しっかりとした視界の確保ができました。トランクの使い勝手はとくに気にしませんでしたが、外からリッドを開ける際にいちいちキーが必要というのも不便な話、明らかに使い勝手は向上しています。
(文/写真・諸星陽一)