レクサスらしいレクサス!清水和夫、RC350 Fスポーツに思わず笑みが【頑固一徹 和・試乗】

【頑固一徹 和・清水和夫、ビッグマイナーチェンジで大変身した「レクサス RC350 Fスポーツ」に乗る】

レクサスRCシリーズのトップグレードV8 5Lの「RC F」ではなく、あえて2018年10月にマイナーチェンジしたRCのベースグレード、「レクサスRC350 Fスポーツ」を頑固一徹 和こと清水和夫流に見ていきます。

清水和夫のレクサスRC350Fスポーツ試乗

■これでマイナーチェンジ!? 良すぎてちょっとビックリ!

・レクサスを知るならコレ、RCが1番!

RC350 Fスポーツは2018年10月にビッグマイナーチェンジをして、チーフエンジニアが「細かいところまでこだわって仕上げたんですよ!」という話を聞いたので、さっそく借り出して乗っています。

レクサスRC350Fスポーツの外観

なんかフルモデルチェンジしたんじゃないの!? っていうくらい。新バージョンではなく従来からあるプラットフォームを使用し、ボディ剛性アップだけではなく、軽量化としてアルミ素材などをいっぱい使っているそうです。

レクサスRC350FスポーツのエンジンレクサスRC350Fスポーツのインパネ

3.5L V6 NAのFR、電子制御式8速トルコンATでハイブリッドも使ってない、いわゆる「オーソドックスなエンジン車のFRスポーツクーペ」です。700万円台でこんなに乗り味の良いレクサス・ブランドが手に入れられるっていうのは、これはこれで魅力的だよね。インテリアも映画「プラダを着た悪魔」に出てくるような赤い皮シートと黒い内装、このへんのコンビネーションも良いですね。

レクサスRC350Fスポーツの試乗をする清水和夫

タイヤは太いスポーツタイヤ(ダンロップ製)を履いているのでロードノイズはけっこう車内に入って来ますが、タイヤがしっかり地面についている感じで、乗り心地もそんなに荒々しくなくイイ感じ。また、ステアリングは意外と軽めで、ステアリングセンターはしっかり真ん中にあります。

イヤ~! こんなに良くなっているとはちょっと驚きですね。こんなクルマで長距離ドライブをしてみたいよね。

「レスサス」をよく知るには、このRC350 Fスポーツが一番いいのかな。そこそこスポーツで、そこそこラグジュアリーで、高級感があってカッコよくって。1番レクサスらしいな。なかなかやるじゃん!っと、思わず笑みがこぼれますね。

ノーマルモードスポーツモード

スポーツ+モードエコモード

■さてココからは、レクサス開発エンジニア・小林直樹氏と快適ドライブ!

・30km/hから効果のある空力パーツって…都市伝説じゃないの!?

頑固:今回のレクサスRC試乗は、あえて「RC F」ではなくいわゆる標準車の「RC(RC350 Fスポーツ)」です。V6 3.5L NAでハイブリッドじゃない。やっぱりエンジン車って良いなって思いますね。さぁ、助手席に乗られているのはレクサス開発エンジニアの小林直樹さんです。

小林:よろしくお願いします!

頑固:けっこう路面は悪いんだけど、乗り心地良いよ、コレ!

小林:ありがとうございます! 嬉しいですね。

頑固:コレでビッグマイナーチェンジなの?

小林:そうです。今回はアルミホイールのデザイン変更だけではなく、サスペンションのセッティングや空力なんかもずいぶんイジってきました。

清水:メルセデスベンツのCクラスもビッグマイナーチェンジで何千点も変えたって言われていますけど、RCもMCでそうとう熟成が進んだんですね?

レクサスRC350Fスポーツのタイヤ

小林:そうです。タイヤの新規開発や空力の新規アイテムなんかずいぶんやらせてもらいました。空力は特に、ホイールハウスの中の圧力変動を抜いてみたり、サイドの風の流れをスムーズにするために、ウインドウとボディの間の段差を少なくするとか、様々なアイテムを入れています。

清水:空力っていうと、ハイスピードで走ったときでないと効かないようなイメージがあって。今ちょうど60km/hくらいですけど、このくらいのスピードでも効いているんですか?

小林:大体30km/hくらいから効いてくるアイテムですね。

清水:それは都市伝説じゃなく!?

小林:ハハハ!

清水和夫と小林直樹氏

清水:小林さんは空力にかなり凝っているんですよね?

小林:兄弟車のLCが同じクーペの兄貴分として出ているので、弟分のRCもLCのスーッと曲がる回頭性の良さを確保したいということで、今回サスペンションのセッティングもかなり変えました。

清水:正直言ってすごくスムーズということと、タイヤのアタリがマイルド、でもブヨンブヨンしている感じじゃなく凄くイイですよね。

小林:このRC350 Fスポーツにはダンロップを履いています。最新技術を使ってかなりいい感じで仕上がっていますので、なめらかでスムーズ、しっとりしているというかロードノイズも無くしてあげて、本当にいい味のものだけ伝わってくるというものを目指して開発しました。

清水:なんかRCってレクサスの中でも「派生車種」っぽく思えたのですが、乗り味で言ったらレクサスの目指すど真ん中にいるような感じですね。

総合評価は星5ツ評価ポイントは4、5、4!

【頑固一徹 総合評価】(5段階評価)
★★★★★

【頑固一徹 評価ポイント】(5段階評価)
パワートレイン:和和和和 4点
シャシー性能:和和和和和 5点
HMIクルマと人とのつながり:和和和和 4点

(試乗:清水 和夫/アシスト:永光 やすの/取材協力:レクサス・インターナショナル)

【SPECIFICATIONS】

車名:RC350 Fスポーツ
ボディサイズ:全長4700mm×全幅1840mm×全高1395mm
ホイールベース:2730mm
車両重量:1700kg
エンジン:V型6気筒DOHC
エンジン排気量:3456cc
ボア×ストローク:94.0×83.0mm
最高出力:234kW(318ps)/6600rpm
最大トルク:380Nm(38.7kgm)/4800rpm
トランスミッション:電気制御8速AT(8-Speed SPDC)
駆動方式:後輪駆動(RWD)
サスペンション:F ダブルウイッシュボーン/R マルチリンク
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク/Rベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:F 235/40R19 92Y/R 265/35R19 94Y
燃料消費率 JC08モード:10.2km/L
車両本体価格(税込):7,070,000円

RC350エンブレムFスポーツのエンブレム

【清水 和夫 プロフィール】
1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業

1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。

【頑固一徹試乗とは?】

国際モータージャーナリスト、清水和夫が斬る試乗インプレッション『頑固一徹テスト』。頑固一徹・清水和夫が独自の目線でチョイスした新型モデルを、パワートレイン、シャシー性能、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)の3分野で評価、採点し、その合計点によって5段階で評定します。

■頑固一徹 総合評価指数
1〜3点→★(評価1)
4〜6 点→★★(評価2)
7〜9点→★★★(評価3)
10〜12点→★★★★(評価4)
13〜15点→★★★★★(評価5)

■頑固一徹テスト 試乗インプレッション 価軸(3項目)&評価ポイント
パワートレイン 5段階評価(1〜5点)
シャシー性能 5段階評価(1〜5点)
ヒューマンマシンインターフェイス 5段階評価(1〜5点)

【関連リンク】

StartYourEngines HP
https://www.startyourengines.net

国際モータージャーナリスト、清水和夫が主宰する自動車専門動画ウェブメディア。クルマの限界性能と安全性を徹底的に試すダイナミック・セイフティ・テスト(DST)を始め、国内外の新車インプレッション、注目度の高まる先進安全技術、自動運転など、クルマに関するあらゆるジャンルの動画をサイトアップしています。ぜひぜひ!チャンネル登録のうえご視聴ください。

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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