中国・広州でEV実験を行うホンダ/その裏事情を深読みする

ホンダは、中国・広州市政府と中国での関係が深い広州汽車集団と共同で行う電気自動車(EV)実証実験の開始を記念する式典を、11月8日、広州で行いました。式典には、広州市政府の甘新 副市長や広州汽車集団の代表者、ホンダからは中国本部長の倉石誠司氏、四輪事業本部第二事業統括の横田千年氏らが出席しました。
この実証実験はフィットEVを使い、広州市内の実際の都市交通環境下で車両を走行させることで、EVの実用利便性を検証するとともに、将来の普及に向けた技術的な課題を抽出するものです。

中国政府は何年も前から排ガスなどからおこる大気汚染などに対応するためEV導入に力を入れていて、実際に現地メーカーの“BYD”(エスティマやカローラのコピー車でもおなじみです)などと組み研究・実験をしていたものの、電池の性能不足などでうまくいってないのが現状だそうです。

経済的に一時期よりはやや衰えてきたとの声もある中国ですが、マーケットの拡大は今後も続くと思われるなか、ホンダがEVを切り口に昨今、現地メーカーや日産、韓国メーカーとくらべ販売の伸びがイマイチである中国市場で存在感をアピールするためのEV実験なのでしょう。
ただ、ご存知のように知的財産権についてあってないような中国。トヨタが近年、中国市場でやや苦戦気味なのはHV技術を現地合弁企業に公開しないせいだ…という業界の噂すらあります。
そんななか、ホンダが行う今回のEV実験は技術流失よりもマーケットを重要視したものでそこまで切羽詰まっている…と考えるのは深読みしすぎでしょうか。

(クリッカー編集部)