【新型トヨタ・RAV4 デビュー】「ダイナミックフォースエンジン」を積む2.0Lガソリンのオンロードの走りは?

●低燃費技術を数多く採用した「ダイナミックフォースエンジン」

新型RAV4のプレス向け試乗会には、発表前としては異例となるナンバープレート付の試乗車が用意されていました。ナンバー付は公道(オンロード)走行用、オフロード走行用は、ナンバーなしのプリプロダクションでした。

ガソリン仕様は、2.0L直列4気筒ガソリンの「2.0Lダイナミックフォースエンジン」を名乗る「M20A-FKS」を搭載。すでにレクサスUXに積まれているエンジンで、新D-4S、高効率吸気ポート(レーザークラッドバルブシート)などによる高速燃焼技術、レーザーピットスカートピストンなどによる低フリクション化による燃費向上策が数多く採用されています。

試乗車の「Adventure」である1630kgという車両重量に対して、126kW(171PS)/6600rpm、207Nm/4800rpmというアウトプットは、驚くほどパワフルではないものの、勾配の多い郊外路でも流れをリードするのは容易。

組み合わされるCVT(ダイレクトシフトCVT)は、発進用ギヤが搭載された新機構で15%のワイドレンジ化、ベルト狭角化とプーリーの小型化により変速速度を20%向上させ、変速制御の改良により、加速時のダイレクト感の演出がされています。

普通に走らせる分には、CVTの違和感はほとんどないものの、急加速させるシーンではどうしても音が「モー」と高まり、加速感が後から付いてくるCVTならではのフィーリングになってしまうのは少し惜しく感じさせます。それでも「ダイナミックフォースエンジン」は、低燃費技術を盛り込みながら気持ちのいい加速を引き出せます。

さらに、ハイブリッド仕様と比べると50〜60kg重量が軽く、フットワークの良さも美点。走行状況に応じて前後トルク配分だけでなく、後輪トルクを左右独立で制御する「ダイナミックトルクベクタリングAWD」により、オンロードでの回頭性も高まっているのも魅力。こちらは、「G “Z Package”」「Adventure」に搭載されます。

乗り心地、静粛性ともに非常に高く、トヨタらしい素直なハンドリングも美点で、初めてSUVを乗るという方でも違和感はほとんどないはず。新型RAV4の価格帯は、ガソリン車が260万8200円〜334万8000円。ハイブリッド車が320万2200円〜381万7800円です。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる