東京モーターショー2017で、2020年代前半にEVなどの航続距離が大幅に延びる次世代の「全固体電池」を実用化する方針を明らかにしたトヨタ自動車。
同社ではこれまでに37の電動車(HV・PHV・FCV)を90か国以上で投入、年間150万台・累計1,100万台以上の電動車を販売しており、グローバルな「電動車マーケット」における同社のシェアは43%に及んでいます。
プレスブリーフィングに登壇した同社のディディエ・ルロワ副社長は、「これらの実績が今後の競争力の源泉となり、EVが近い将来において重要なソリューションのひとつとなることは疑う余地が無い」と明言。
そうしたなか、日経新聞によると、トヨタが東京工業大学と開発中の全固体電池は、現行の可燃性液体電解質を使うリチウムイオン電池の約1.5倍の容量で3倍以上の出力を発生、満充電までの時間もガソリン車同様、約3分程度に短縮可能としています。
電解質が固体であることで、バッテリーセルの設計自由度が拡大、液漏れが無く環境温度への依存性が少ないのが特徴で、100度の高温やマイナス30度の低温時でも著しい性能低下が無いそうです。
こうした利点の多さから、トヨタ以外にも日立造船をはじめ、旭化成など多数の日本企業が全固体電池の開発にしのぎを削っているようです。
ちなみにトヨタではEVの量産に向け、航続距離を飛躍的に伸ばすための全固体電池を巡り、200人を超える技術者が2020年代前半の実用化を目指して開発を加速させており、既に同バッテリーの特許出願件数で世界トップの状況にあるようです。
同技術はトヨタとアライアンスを組むスバルやマツダ、ダイハツ、スズキへの技術供与が予想され、実用化済みのFCV(燃料電池車)に加え、2020年以降、トヨタがEVでも一気に市場を席巻することになりそうです。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA、NIKKEI)
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