経済産業省が水素燃料で走るFCV(燃料電池車)の早期普及を目的に、水素ステーションを設置・運営する際の規制を緩和、2018年度をめどに監督者や設備の要件など約20項目を見直すことにしたそうです。
設備の安全基準についても2019年度までにリスクを再評価するそうで、最新の技術や知見を反映し、過剰な安全基準は見直す模様。日経新聞によると、現状では水素ステーションの整備費が4~5億円、運営費が年間4~5,000万円程度かかるそうで、今後2020年までに安価な設備の開発や規制緩和などで整備費と運営費をそれぞれ半減させる考えのようです。
ちなみに、水素ステーションは本年8月末時点で91ヵ所開業しており、政府は東京五輪を開催する2020年度に160カ所、2025年度には320ヵ所まで増やす計画。
トヨタ自動車やホンダはFCVを「究極のエコカー」に位置付けており、経産省がFCVの普及に力を入れる背景には、そうした世界に誇る国内企業の技術力を活かす狙いが有るようです。
欧州や中国の自動車メーカーがEVへのシフトを急ぐなか、両社はFCVの優位性(航続距離、クイック・チャージ等)を伸ばすべく、車両価格の引き下げに向けて動いている模様で、高価な白金を必要としないFCV用の触媒を日清紡ホールディングスが世界で初めて実用化に成功するなど、部品メーカーにおいてもコストダウンに向けた動きが活発化しているようです。
外部電力を使って走行するEVが増大した際、必要となる大量の電力確保のための本末転倒な環境汚染を招かないためにも、水素と酸素の化学反応により自前で発電しながら走行できるFCVの普及が望ましいとする考えこそが日本の大手自動車メーカーがFCVを「究極のエコカー」として位置付けている所以という訳です。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)
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