2017年8月23日、メガウェブ(東京・台場)で「第11回 トヨタ夢のクルマアートコンテスト」の表彰式が開催されました。とにかく驚きの連続です。これほどまで色彩豊かに、そしてメッセージ性を持った作品が次々登場することに、感嘆しかありませんでした。
第11回となるこのコンテストは、世界の子供たちに夢のクルマの絵を描いて、コンテストに参加してもらうもの。
トヨタ自動車の豊田章男社長が審査委員長となっていますが、子どもたちに夢を持つことの楽しさや大切さを感じていもらえることと、多くの子どもたちにクルマファンになってもらいたいといった、それことそ大人にとっても夢のある目的を持っています。
開催されたのは2004年から。これまでに100以上の国と地域から460万点以上もの作品の参加があったとのこと。とにかく、インターナショナルな大きなイベントとなっています。
部門は「7歳以下の部」「8歳〜11歳の部」「12歳〜15歳の部」の3つに分かれていて、それぞれに金賞(1作品)、銀賞(2作品)、銅賞(3作品)、審査員奨励賞(4作品)が設定されます。また、特別賞として豊田章男社長選出の「豊田社長賞」、ディディエ・ルロワ副社長選出の「夢のクルマ技術賞」、そしてインターネット投票で決定された「Makes Me Smile! Award 〜オンライン投票賞」が用意されました。
昨年10月から各国でナショナルコンテスト(国内選抜)が実施され、優秀な作品が今年4月に日本で開催されたワールドコンテストの対象となりました。ここで、美術や自動車分野の外部有識者を審査員として入賞作品が決まりました。ここでは注目の金賞作品、そしてと特別賞作品を紹介していきましょう。
[7歳以下の部・金賞]
「トヨタ知識パラダイスカー」ルヴィンディア・トゥシャディ・イントララトネさん・スリランカ・7歳
「より良い未来を築くためにクリーン環境やシェアリング、健康や教育、感性といった知識をみんなに提供します」
[8歳〜11歳の部・金賞]
「スーツケースカー」ホンユーライアンさん・カナダ・10歳
「スーツケースに折りたたんでしまえるような、ポータブルカーです。空気をエネルギーにして空中に浮いて、竜巻や地震なdの自然災害からみんなを逃がすことができます」
[12歳〜15歳の部・金賞]
「夢の再生」ビクトリア・ベゼハ・オリベイラさん・ブラジル・15歳
「私たちの喜び、愛、新しいアイデア、そんな夢を結びつけていくクルマです。有機廃棄物を取り除き燃料に変え、排出されたガスは樹木の肥料になり街を清潔に保ち、樹木の寿命も延びます」
[豊田社長賞]
「お母さんのクルマ」マシエル・エステル・サルゲロさん・ボリビア・4歳
豊田社長のコメント「『お父さんがお母さんのためにクルマを買ってくれました』という暖かいメッセージに心惹かれました。お母さんの移動を自由に、楽にしたい。家族みんなで、笑顔で楽しみたい、という思いやりの気持ちを感じます。日本語には「愛車」という言葉がありますが、私たちトヨタが扱うクルマというものは”愛”がつく珍しい工業製品です。そのクルマに大切な家族の愛情を投影し、優しく描いてくれたことに感謝と喜びを感じました」
[夢のクルマ技術賞]
「音符カー」ファタヒラ・ファイサル・リズキアワンさん・インドネシア・14歳
トヨタ自動車・ルロワ副社長が選出。トヨタのクルマづくりにインスピレーションを与えた作品に贈られる賞で、音符から生まれた音楽を奏でるクルマをトヨタの試作部が原画に忠実に模型化しました。作品を讃えるだけでなく、トヨタの社員が模型の製作をすることで、試作部にも夢を育んだ取り組みとなっていました。
[Makes Me Smile! Award〜オンライン投票賞]
アナ・ガブリエラ・アグードさん・パナマ・7歳
前回より行われる、公式サイトから広く一般の方にも審査に参加し投票によって決定される賞。みんなを笑顔にする賞として、世界共通に感じられる広がる夢、幸せな思いどが高く評価されたようです。みんながほっこりできる作品に票が集まりました。
これらの作品を見ていると、子供たちの多くが何らかの不安を持っていることがわかります。色々な悩みのなかで、子供達なりの解決法を真剣に考えています。誰もが家族や友達との幸せな生活を、その小さな心のなかで思いっきりに望んでいることがわかります。
彼らの未来のために、今できることは何なのか。私たちもそれをじっくり考えられる機会にしたいですね。
(Matsunaga Hironobu)
【関連リンク】
トヨタ夢のクルマアートコンテスト 公式サイト
http://www.toyota.co.jp/jpn/events/dreamcar/