SUGOには魔物が棲む…大荒れのGT300クラスは予想外過ぎる展開に!【SUPER GT 2017】

7月22、23日に宮城県スポーツランドSUGOで開催されたSUPER GT第4戦「2017 AUTOBACS SUPER GT Rd.4 SUGO GT 300km RACE」。

予選日の午前中のフリー走行は晴れ渡る天候であったにもかかわらず、午後の予選では雲行きは怪しくなり今にも雨が降り出しそう。それでも路面はドライのままで予選は終了。

ポールポジションは25号車 VivaC 86 MCが前戦のオートポリスから連続での獲得。58kgものウェイトを積んでのポールポジションは驚愕!

決勝のスターティンググリッドに並んだ頃に上がりつつあった雨が、グリッドウォーク終了の頃に再び本格的に降り始め、GT300、GT500ともにタイヤチョイスが非常に悩ましい状態。

半分ほどのチームはドライ路面に賭けてスリックタイヤをチョイスしていたものの、強く降る雨を見ながらフォーメーションラップ開始5分前までに選択を決めなくてはならないという状況で、ほとんどのチームがレインタイヤに交換します。

しかしスリックのまま通そうとするチームも少なからず存在。これがSUGOの魔物の引き金となっていくのです。

オープニングラップはVivaCが快調にスタートを決め、上位陣に順位変動は見られません。しかし4周目にストレートでGT500マシンのリアカウルが吹っ飛ぶというアクシデントの影響でセイフティカー(SC)が導入。

SCは10周目に解除となりますが、このリスタートで2番手を争っていた18号車のUPGARAGE BANDOH 86と3号車のB-MAX NDDP GT-RにGT500マシンが絡んでUPGARAGEがコースアウト、勝負権を失ってしまいます。

一気に2位との差を広げたかに思われたVivaCですが、背後から忍び寄る65号車 LEON CVSTOS AMGと51号車 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3。ともにブリヂストン勢で雨となると強さを発揮してきた模様。JMSのRC FとVivaCが絡んでいる隙に、LEONは一気に2台を抜いてトップに浮上!その後JMSのRC FもVivaCを抜いて2位となりますが、LEONとの差は徐々に開いていき20秒ほどとなってしまいます。

しかしGT300の36周目に、ピットイン後もスリックタイヤを選択したGT500クラスのマシンがクラッシュ、再びSC導入。このSCでせっかく築いたLEONのマージンは帳消しに!

そのSCが解除となった44周目にはLEONはじめ上位チーム以外が一斉にピットインしピット義務を消化します。この頃には雨も小降りとなって路面も乾きつつあることから、ほとんどのチームがスリックタイヤを選択します。クラッシュしたGT500マシンはスリックタイヤを履くタイミングが少し早かったようですがこれが魔物のなせる業でしょうか。

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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