トヨタは、2021年までの今後5年間に導入する新型パワートレインを発表しました。
今回の発表には、エンジン・トランスミッションと並ぶハイブリッドシステムの重要な構成要素である車載電池に関する発表も含まれており、今後5年間のトヨタの車載電池に対する基本的な考え方が明らかになりました。
今回の発表の要旨は、
①新型バッテリーの小型化でリアシート下への配置が可能になった
②2021年まではハイブリッド車にはリチウム電池とニッケル水素電池を併用する
③新型プリウスPHVにはリチウム電池を搭載する
という3点です。
まず、①の新型バッテリーの小型化については、従来リアトランクの底に配置されていた車載電池をリアシート下へ移動させることが可能になり、荷室容量の増加が期待できます。
次に②の、リチウム電池とニッケル水素電池の併用については、従来からのトヨタの基本方針を踏襲したかたちです。
トヨタではハイブリッド車の車載電池について、ニッケル水素電池は古い、枯れた技術ではなく、まだまだ進歩する余地があり、今後も活用していくと説明しており、今回のリチウム電池とニッケル水素電池の併用も、その考え方に基づくものです。
公表された両方の電池の写真を見ると、リチウム電池の方がニッケル水素電池より一回り小さな印象で、リチウム電池の容量4,0Ahでニッケル水素電池の容量が6.5Ahとなっている発表資料のデータからも納得できます。トヨタでは、車載電池の搭載スペース、充放電能力によってリチウム電池とニッケル水素電池を選択しているものと見られます。
われわれユーザーが車種を選択する際には、自分の希望する車種・モデルがリチウム電池を搭載しているのか、ニッケル水素電池なのかが気になるところです。
③の新型プリウスPHVにリチウム電池を搭載する点については、車載電池の容量を大きくして、EV走行距離・速度粋を拡大することを重視して、リチウム電池搭載を決定したものと考えられます。
今回の発表でトヨタの車載電池の方針が明らかになり、今後ハイブリッド車・PHV車の電動走行が拡大するにつれて、トヨタもリチウム電池を重視する方向に転換して行くと予想されます。
ハイブリッド・PHVを重視するトヨタの車載電池に対する姿勢の動向に注目が集まっています。
(山内 博・画像:トヨタ)