トヨタの米国生産事業体(TMMK)として初めて生産累計1000万台を突破したアメリカのケンタッキー工場。同工場での生産開始は1988年5月ですが、トヨタで一番古い海外は、それよりも25年も早い、1962年11月にすでにスタートしています。
どこかというと、現在ワールドカップ開催で世界から注目を集めているブラジルで、サンパウロ州のサンベルナン工場。同工場ではカローラおよびハイラックスの部品を生産しているほか、サンパウロ州にはインダイアツーバ工場が1998年からカローラを生産。
さらに、2012年後半から生産を開始しているサンパウロ州のソロカバ工場では、小型車のエティオスが生産され、2012年の開所式ではあのジーコも出席しています。
このように、トヨタのブラジル工場は半世紀以上の歴史を有しています。
ケンタッキー工場に話を戻しますと、1988年に初めて生産されたのはカムリで、2014年5月に達成した記念すべき1000万台目もカムリですから、同モデルのアメリカでの成功ぶりがうかがえます。
1000万台生産を祝う式典には7000人が参加し、設立当初から働いているというエヴリー・バッセルJr.さんは、10万人を超える応募者の中で採用された約3000人のうちの1人。
「当時22歳で農業を継ごうと考えていた中、幸運にも採用され、トヨタで働くことで人生が大きく変わった。それまでは将来への不安もあったが、トヨタに入れば、一生続けられる仕事になると分かっていた」と語っています。入社から26年が経ち、グループリーダーとして現場を率いているそう。
設立当初から現在までのTMMKの累計投資額は約59億ドルに上り、さらに2015年からはレクサスES350の生産を開始。生産能力は現在の年間50万台から55万台に増加される予定です。
(塚田勝弘)