日産自動車が5月10日、2013 年3月期決算を発表しました。
それによると、連結売上高は前年比2.3%増の9.6兆円、連結営業利益は同4.1%減の5235億円と増収減益となっています。
東日本大震災やタイ洪水を経て、2009年3月期以降、3期連続で増益を継続するなど快走を続けて来ましたが、中国・欧州市場の不振や米国での伸び悩みが響いて今回4年ぶりに減益に転じており、営業利益率でも5.4%と、トヨタ6.0%、ホンダ5.5%にリードを許した形。
一方、世界販売台数では491.4万台と、前年比で +1.4%増となり、世界シェア6.2%に。
日産の世界販売実績 (千台)
2012年度 2013年度 前年比 %
日 本 655 647 ▲ 1.3
中国 1247 1182 ▲ 5.3
北 米 1404 1466 4.5
欧 州 713 660 ▲ 7.5
その他 826 959 16.3
合計 4845 4914 1.4
カルロス・ゴーンCEOは決算報告で『2016年末までに世界シェア8%、営業利益率8%等を目指す「日産パワー88」の中期経営計画に変更は無く、中国での販売減等の問題も既に解決した』と強調した上で、2014年3月期の世界販売目標を前期比+7.8%増の530万台に設定。
米中両国への新型車投入やインド・ロシアへの「ダットサン」ブランド新型車投入等で4期連続過去最高を更新する計画。
また、連結売上高予想については前期比+7.7%増の10.37兆円、連結営業利益は同+16.5%増となる6100億円を見込んでいます。
見通しの前提となる想定為替レートは1ドル95円、1ユーロ122円と、前年実績比でそれぞれ約12円、約15円の円安で設定。
営業利益率で見るとトヨタの7.7%、ホンダの6.4%に対して5.9%とやや控え目な設定になっていることが読み取れます。
欧州市場の冷え込みで、カルロス・ゴーンCEOは「2016年まで厳しい状況が続く」とみているようで、 資本提携先のルノーの業績悪化がいっそう深刻化した場合、ルノー・日産アライアンスとしての経営に影響が出る可能性も有ります。
力を入れているEVについても「2016年度までに累計販売150万台達成」の目標は既に揺らいでいるようで、ゴーン氏も「難易度が高い」と認めている状況。
今後の為替の動きが経営を大きく左右(150億円/1円)するだけに、現状の円安傾向がどこまで維持できるかが鍵になりそうです。
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