以前に「本当の低公害車を考える!地球に最も優しいシステムとは?」で触れた、次世代エネルギー車として本命視されているFCV(Fuel Cell Vehicle)こと燃料電池車。
水素と酸素の化学反応で得られる電気エネルギーでモーターを駆動させて走行する全く新しいクルマで、ガソリン車に比べてエネルギー効率が高いのが特徴。 排出するのは水のみでCO2やNOx、SOxなどの汚染物質を排出しない為、「究極のエコカー」とも言われています。
そんなFCVが2年後の2015年に実際に市販される予定でいよいよ街中を走り出します。
FCVはトヨタ、ホンダ、日産、スズキ、ヤマハ発動機、ダイムラー、BMW、GM、フォード、HYUNDAI など世界の自動車メーカーが開発しており、現実的な車両価格実現に向けて各社凌ぎを削っています。
10年前まで1台1億円と言われていましたが、HVと電気モーターなど多くの部品を共通化できるため、量産効果による低価格化が見込まれています。
究極のエコカー「FCV」の最大のメリットはガソリン車並の航続距離や燃料充填時間。
課題とされているインフラ整備については2009年7月に水素供給インフラの構築とビジネス環境の整備を目的とした法人「水素供給・利用技術研究組合(HySUT)」が設立され、石油会社(JX日鉱日石エネルギー・出光興産・コスモ石油・昭和シェル石油等)やガス会社(東京ガス・東邦ガス・大阪ガス等)、更には自動車メーカー(トヨタ・日産・ホンダ等)など19社が協力して、2015年を目処に水素供給ビジネスの事業化を予定しています。
同組合では既に日本全国各地に水素供給ステーションを建設し始めており、今後4大都市から拠点を拡充、2015年時点で100箇所、2025年時点で1000箇所、2030年時点で全国5000箇所への拡大が予定されています。
トヨタ自動車は2015年にセダンタイプのFCVを市販予定で、価格は500万円前後、約700台/年の販売を予定。一回の水素充填で700㎞の走行が可能で、愛知県豊田市の元町工場で生産を予定している模様。
ホンダは2015年から日米欧で大幅なコストダウンを図ったFCVを500万円以下で投入する方針を打ち出しています。
日産はダイムラー/フォードとの共同開発で開発費を削減しつつ、2017年頃に量産車を発売予定。
またHYUNDAIも2015年までに5人乗りのSUV「ix35」をベースにしたFCVを1000台生産する計画で航続距離は588kmと言います。
このように「究極のエコカー」FCVは課題を一つ一つクリアして2015年の発売を皮切りに2020年の本格普及を目指して確実に動き出しています。
■HySUT(水素供給・利用技術研究組合)Webサイト
http://hysut.or.jp/
■全国水素ステーション一覧
http://hysut.or.jp/business/2011/station/index.html
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