ホンダが2月18日、北米で3月発売予定の新型アキュラRLXのドアで、異材(アルミとスチール)を一体結合する新技術を採用したと発表しました。
これは軽量化を目的に同社が世界で初めて導入した技術で、今までは異材接合部に電位差で錆が発生する「電食」と呼ばれる現象に阻まれて不可能とされていた構造です。
新型アキュラRLXでは軽量化の為、ドアのアウターパネル側にアルミ材を、インナーパネル側にスチール材を使用することで17%(-11kg)もの軽量化を達成。
これにより、燃費や動力性能の向上に寄与するとともに、車体外側が軽くなり重心が車体中心に集中することで操縦安定性の向上にも貢献したと言います。
それを可能にしたのは①異材結合技術 ②電食防止技術 ③熱変形抑制技術の3つ。
①2材料を重ねたままドア端部を2段階にへミング(曲げる)
②高防食性スチール(新日鉄住金製)の採用
③低弾性接着剤の採用
特に①については「新型クラウンの開発でトヨタが取り組んだデザイン改革とは ?」でもご紹介したとおり、設計部門と生産技術部門の連携がキモとなるだけに技術者の苦労が伺えます。
国内向けでは2014年発売予定の次期レジェンドで採用される模様。ちなみに今回の新技術によるドアの製造コストアップは1割増に抑えているとか。
ホンダは昨年にもフロントサブフレームでアルミとスチールの異種金属を連続接合する「摩擦かく拌接合技術」を開発、2012年9月より北米仕様の新型「アコード」で導入しています。
今回はまた新たな手法で既存の生産ラインを変更すること無く、軽量ながらも高コストなアルミ材の部分使用を可能にしたことになり、かつて「NSX」でオール・アルミボディを開発した実績を持つホンダならではの軽量化への挑戦だったと言えそうです。
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