以前にお伝えした世界販売で首位奪還を狙うトヨタのその後の状況を調べてみました。
結論から言えば、8月に達成目標を「世界生産1005万台」、「世界販売976万台」へ上方修正して以降、現在もほぼその計画どおり順調に推移しているようです。
昨年首位のGMに次いで2位の座に踊り出たVWは昨今の不安定な西欧経済情勢を受けて当初の販売計画だった970万台から30万台削減した940万台に目標を下方修正したとの現地報道も有るようで、米/中国で順調に販売を伸ばすVWと言えども、予断を許さない状況。
上グラフに示したとおり、今年の上期(1~6月)の段階でGM(緑)、VW(青)を抜き去っており、8月時点では既にトヨタがVWを100万台程度引き離しています。
このグラフから判断するとVWの修正版目標940万台達成は9月以降からでは意外にキツそうです。まもなく現地発売される新型Golf 7と、VW傘下入りを果たしたポルシェの販売台数加算を見込んでいるのでしょうか?
GMと日産・ルノー組(橙)の7月以降のデータが無いので何とも言えませんが、グラフの傾向から判断して現在もトヨタが首位をキープしているのは間違い無さそうです。
豊田章男社長は「ただ数値を追うのではなく、自然体で達成したい」と以前から語っているようですが、前述のとおり、新たな数値目標を公表したことから、達成への勝算が有るものと思われます。伸び盛りのインドネシア、ブラジル市場などへの多大な設備投資もそのひとつかも。
画像はブラジル生産のエティオス(Etios)
一方で期待の中国市場が尖閣領土問題で急転、いきなり先が見通せない状況に。トヨタが販売で世界一に返り咲くにはまだ予想外な試練が無きにしもあらずの状況です。