山本晋也 
アウディが日本ではじめて販売するハイブリッドカー「A6 hybrid」を発表しました。アウディといえばクワトロ（四輪駆動）のイメージが強いですが、このハイブリッドカーはFWD（フロント駆動）となっています。
とはいっても、このクラスのアウディにおいては、FWDであってもエンジンは縦置きとなっています。直噴4気筒ターボエンジン・フロントディファレンシャル・8速ティプトロニックATという基本レイアウトはそのままに、ミッションの前方に薄型モーターを組み込んだのが、アウディA6のハイブリッドシステムというわけです。
国産ハイブリッドカーのシステムは、トヨタの採用する2モーター（駆動モーター＆発電モーター）式とホンダや日産が採用する1モーター（駆動モーターのみ）に二分されますが、アウディA6ハイブリッドのそれは、後者に近いシステムとなっています。もちろん、駆動モーターは減速時に、そのエネルギーを回生してバッテリーを充電します。
5ｍに迫ろうとする立派なボディを211馬力の2.0リッター直噴ターボで動かすのは、ダウンサイジング・トレンドとしては当然の処置ながら、パフォーマンスに不安を感じる部分もあります。そこで54馬力・210N.mという電気モーターによるアシストが効いてくるとのが、このハイブリッドシステムの基本。
さらに、リヤシート後方に置かれたリチウムイオンバッテリーに溜めた電力による電気モーターだけの駆動モードも持っていて、そのEVモードでは100km/hまで出すことが可能といいます。このバッテリーは巧みにレイアウトされ、ラゲッジ性能への悪影響は最小限に抑えられているとのこと。
また電動パワステ、電動エアコンの採用により、エンジン停止時の快適性を損なわないようにしているのも、このクラスのハイブリッドカーらしい装備といえそうです。
スピンを防止するESPやバックモニター併用のパーキングシステム を標準装備。暗闇での視界をアシストするナイトビジョンや斜め後方の視界をカバーするサイドアシストといった安全装備はオプションで用意されています。
690万円という価格は、日本のマーケットにおけるワンモーター式ハイブリッドカーとして、国産では日産のシーマ（735〜840万円）とフーガ・ハイブリッド（539.7〜647.6万円）にはさまれた価格帯で、燃費性能も含めて競争力はありそうです。
●主要諸元
全長：4930mm
全幅：1875mm
全高：1465mm
ホイールベース：2910mm
車両重量：1850ｋｇ
エンジン種類：直列4気筒DOHCインタークーラーターボ
エンジン総排気量：1984cc
エンジン最高出力：155kW/4300-6000rpm
エンジン最大トルク：350N.m/1500-4200rpm
使用燃料：無鉛プレミアム
モーター種類：交流同期電動機
モーター最高出力：40ｋW
モーター最大トルク：210N.m
駆動バッテリー種類：リチウムイオン
駆動バッテリー総電力量：1.3ｋWh
JC08モード燃費：13.8ｋｍ/L
トランスミッション：8速ティプトロニック
タイヤサイズ：245/45-18（255/35-20）
ホイールサイズ：8J×18（8.5J×20）
ハンドル位置：右
車両本体価格：690万円
（山本晋也）
