触れなくてもOKの充電が主流になる!?

トヨタが「ワイトリシティ・コーポレーションと車両向け非接触充電における技術提携に合意」というニュースが流れました。

非接触充電技術とは、充電器(送電側)と機器(受電側)とをコードで接続することなく、ワイヤレスに電力を伝 送する技術である。

非接触充電というのは、すでに多くの企業などで研究されているもの。EVにくわしいひとならば、10年以上前の日産ハイパーミニで「インダクティブ充電」という非接触式の充電コネクターを使っていたことを覚えていることでしょう。

最近でいえば、あのGoogleが非接触充電システムを試験的に実施するというニュースもありました。ちなみに、そのシステムを担当しているのは、その名も”プラグレスパワー社”といいます。

また、日本では早稲田大学・理工学術院と昭和飛行機工業が共同開発した非接触充電システムを搭載したバスで実証実験が行なわれたのも記憶に新しいところ。

 

ただし、これらはいずれも非接触電磁誘導方式にもとづくシステム。

 

一方、トヨタが技術提携したのは別の方式。

ワイトリシティの非接触充電技術は共鳴方式と呼ばれ、携帯電話の充電器等での実用化が進んでいる電磁誘導方式と比べて、充電器と機器と の距離が大きくなっても高い効率で電力を伝送できるなどの特長がある。トヨタは、共鳴方式による非接触充電が車両への搭載に適していると見ており、早期の 実用化を目指している。

 

わざわざ充電コネクターをつなぐことなく、駐車するだけで充電が開始されるとなれば、その便利さはEVのアドバンテージとなることまちがいなし……ですが、利便性を考えると、電磁誘導式と共鳴式、どちらかへの規格統一がマストとなるわけです。

 

もちろん、まだそのフェイズで考えるのは、ちょっと気がはやい話。

いまは使いやすく、効率のいい非接触充電システムの開発にリソースが集まっている現状に期待を高めたい時期です。

(山本晋也)

 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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