アメリカで作られる9速オートマが「イノベーション・オブ・ザ・イヤー」を受賞

以前にも紹介していますが、ZFが2013年から量産する9速オートマチックトランスミッションが、ドイツに本拠をおくアクセルストリンガーの媒体である『オートテスト』誌の”イノベーション・オブ・ザ・イヤー”に選ばれたということです。

この”イノベーション・オブ・ザ・イヤー”は、今年から始まったもので『2012年におけるもっとも革新的な技術』として評価されたというわけです。

ZFの横置きエンジン用9速オートマチックトランスミッションといえば、先日パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展」でも展示されていましたが、変速比幅が9.8と驚異的に広いのが特徴です。国内では軽自動車やコンパクトカーに使用されているジヤトコの副変速機付きCVTが7.3というスペックで、2010年にはコンパクトクラスとして世界一の変速比幅を誇っていましたが、それを圧倒するZFの9速オートマチックトランスミッションというわけです。

ZFではこの広い変速比幅と9速というステップにより、標準的な6速ATに対して16%もの燃費改善につながる技術だとアピールしています。またハイブリッドや全輪駆動にも対応するということです。なお最近ではDCTと呼ばれるデュアルクラッチのオートマチックトランスミッションも増えていますが、ZFの9速オートマチックトランスミッションはトルクコンバーターとプラネタリーギアを使ったステップATの発展形。

多段化とワイドレシオがトレンドとなっている次世代トランスミッション。はたして生き残るのはこうしたステップATなのか、DCTなのか、はたまたCVTなのか、それともまったくの新技術が生まれてくるのでしょうか?

■ZFプレスリリース
 http://www.zf.com/corporate/en/press/press_releases/press_release.jsp?newsId=21918569

■オートテスト公式サイト
http://www.autobild.de/autotest/

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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