目次
■エクストレイル室内各所のもの入れ部分を見ていく
リアル試乗・エクストレイルの第13回めは、室内各所のもの入れ・収容スペースを見ていきます。
●室内収容スペース
・チケットホルダー
「運転席まわり」編でも載せていますがここでもふたたび。
ミラー左には駐車券などをはさめるクリップがありますが、左側からはさむようになっているので、運転席窓で受け取った券をいったん左に持ち替えなければならないのが欠点。だいたい、バイザーを下ろした面にクリップがあるのが不便で、天井収容時の表面に右からはさむ形にしてほしいと思います。
筆者の旧ジムニーシエラも同じ面にあり、不便でしょうがないのでお裁縫用具屋さんで買ったバイザーと同色のゴムバンドをバイザーに巻きつけました。
・オーバーヘッドコンソール
ルームミラー前方には、押すとスッと降りて開くもの入れがあります。もともとはアメリカでガレージのシャッターのリモコンを入れるためのスペースとして生まれたという話があります。一般的にはサングラス入れでしょうが、夏の炎天下では太陽熱が直撃して変形するかも知れないので季節を選んで使うべし。ライターなんぞもってのほかだぞ。
・グローブボックス
運転席から開けやすいよう、ノブは右寄りに設置されています。
できれば防犯のための鍵と夜間照明があるといいと思います。
残念なのは容量が小さいことで、収容部は右の3分の2ほどだけで、左3分の1はヒューズボックスになっています。ヒューズボックスは、以前は運転席右とエンジンフード内の2か所が普通でしたが、最近は助手席側にも設けて3か所のクルマが増えました。電子デバイスが増えたためだと思います。
・フロントセンタートレイ
特に名称はありませんが、シフト前方にはトレイが設けられています。ほんのちょっとした小間ものを置いておくのに便利。X/X e-4ORCE、G/G e-4ORCEは照明付きなのと、G/G e-4ORCEはこの部分がワイヤレス充電器になっています。
・センターコンソールボックス
先端のノブを引くとばね仕掛けでアームレスト兼用のふたが中央で割れ、観音開きで開きます。
ここにも内部照明はなし。中は昼間でさえ真っ黒なので、夜はなお真っ黒。ふたを開けてカラスがいてもわからないでしょう。
・ロアコンソールトレイ
前項センターコンソールボックスふた面はそのまま空調パネルにまで橋渡しされ、橋の上は電制シフトその他があるわけですが、その下のスカスカを活かしてもの入れ場所になっています。
ハンドバッグや財布を置いておくのにうってつけでしょう。中にはカー用品店で手に入れたごみ箱を置くというひともいるかも知れません。
後端の壁の部分には照明も施されていて夜間も便利です。
なお、さきのセンターコンソールもこのトレイも、車幅が広いことを活かしてスペース幅も広く、使い出のある容量となっています。
・ドアポケット
前部はボトル置き場。その手前に残されたわずかな空間がポケットです。何を入れるのがいいのかわからないほど小容量ですが、まあ、何かに使えるでしょう。左右フロントドアに設置されています。
・助手席シートバックポケット
助手席側シートバックの背面にあります。
スマートホンを入れるために内部で小さく区分けされているとか重なっているといった工夫はありませんが、そのぶんヘタに置き忘れるといったこともないので、これはこれでいいと思います。入れしろは深く、ここではエクストレイルのカタログを入れてみましたが、入れても何のカタログなのかわからないほどになっています。最近のカタログは上限寸が短いからなのですが・・・
・コートハンガー
たまーにビジネスマンが背広で覆ったハンガーを引っ掛けているのを見かけるくらいですが、このコートハンガーは、後席左右のアシストグリップに設けられています。
なお、アシストグリップは、助手席はもちろん、運転席にもあります。
以前は、ドライバーはハンドルがあるから不要といわんばかり、ホンダのおおかたのクルマ以外、運転席にはないクルマが多かったのですが、最近は備えるクルマが増えてきました。
乗り降りや座り直しは運転者だってするのだから、どのクルマだって運転席にもほしいぜ!
・カップホルダー/ボトルホルダー
飲みもの置き場はさきに少し触れた左右フロントドア前方に、ドアポケット前部に「ボトルホルダー」の名称で左右2つ。センターコンソール部電制シフトの左に、前後並びに「カップホルダー」が2つ。
後席は、同じく左右ドアトリムにボトルホルダーが2つ。カップホルダーがセンターアームレストに同じく縦に2つ並んでいます。3列シート車になると右サイドにカップホルダーが設けられるので、飲みもの置き場としては、2列シート車が全部で8つ、3列シート車はプラス2の計10点となります。
ところで、世の中のめずらしい苗字の中で、漢数字の「十」という、教えられなければとても読めないものがあり、もしもらった名刺に「十」とあったら、そのひとは「つなしさん」と読みます。
なぜ「つなし」なのか。
ものを数えるとき、「ひとつ、ふたつ・・・」に始まって最後は「・・・やっつ、ここのつ、とお」になりますが、10番目の「とお」だけ「つ」がないでしょ? 「つ」が「なし」になるから「十さん」は「つなしさん」になるのです。
「2つ」「8つ」「10点」と続き、小さい頃に見た、あるテレビドラマの再放送でこの話が出るシーンを思い出したので書いた次第。
余談につきあってくれて「ありがとう」。
(わかるひとにだけわかりゃいいや。誰かひとりくらい調べるだろ。)
●トランクルーム
荷室は車両サイズに見合った容量を持ち合わせており、日常使用下で不足することはないでしょう。
両サイド壁面の凹凸が少なく、形が整理されているのが好印象。
内側がカーペット張りになっているのが印象に残りましたが、初代、2代めがオールプラスチック仕立てのウォッシャブルな造りで、汚れもの、濡れものを無造作に放り込んでも気にならない良さがあったことを思うとこの造りは賛否が分かれそうです。
荷室は拡大することができ、後席シートバックが倒れるのは当然のこと、前席スレスレ(第11回)にまでスライドできますが、すき間ができるので注意が必要。筆者はここにボールペンを落とし、見つけたのは新しいやつを買った後でした。
なお、資料によると、リヤシートのスライド量は260mm。筆者実測では234mmでした。たぶん公式260mmはフルに前に押しやったときの値で、筆者の計測はそこから少し下がって「ガチャン!」と固定された位置での計測。26mm差は、その後退ぶんと思うきょうこの頃です。
・リモコンオートバックドア
G/G e-4ORCEに標準、X/X e-4ORCEに開閉スイッチ付きインテリジェントキーリモコンとセットでオプション。
開閉方法は、運転席右のスイッチ、インテリジェントキーリモコンのスイッチ、バックドア本体のスイッチ、リヤバンパー下にかざした足先の動きを検知するハンズフリーセンサーの4とおり。
ちょっと奇妙なのは、バックドア本体側のスイッチがドア下端にあることで、慣習が身についていて、何度もナンバープレート上部=「X-TRAIL」バッジ部裏に手を入れてしまいました。何でこの場所なのかな。
<バックドアインナースイッチ&バックドアインナーロックスイッチ>
開閉方法は4とおりですが、加えて「閉」だけのパワー操作もあります。
バックドア下面、ロック部左にスイッチがあり、写真で見て左側「バックドアインナースイッチ」を押すとクローズ、その右の「バックドアインナーロックスイッチ」押しで全ドアがロックされ、バックドアも全閉したらブザーが1回鳴り、ハザードが1回点滅します。要は4枚ドア&バックドアをロックするためにバックドア全閉を待つ必要がないわけ。
・ラゲッジトレイ
荷室のあの無造作志向が気に入っていた初代・2代めからの乗り換え派のために(?)、販社オプションに「ラゲッジトレイ」が用意されています。まあ、他のクルマでも見かけるオプション品だし、フロアに置くボードマットなので、サイドはどのみちカーペットのまま。初代・2代め荷室と完全に同じというわけにはいきませんが、無造作にものを放り込めるようになるのは魅力でしょう。
オプションカタログの文言を借りると、「防水仕様で、取り外してよごれを洗い流すことも容易にできます。」だって。
おし! ホースの水をバシャバシャかけてジャブジャブに洗おう。税込み1万7800円。
・フロア脇のスペース
カタログにも取扱説明書にも特に記載はないのですが、荷室フロアの両脇には、見るからに何かしら入れるのに都合がよさそうな穴ぼこが。スプレー缶は入れないほうがいいですが、筆者なら軍手やウエスなどを入れておきます。
・ラゲッジアンダースペース
荷室フロアのボードを起こすとその下にはまたもの入れスペースが。実際に使えるのは左2分の1強のエリアだけですが、これまた汚れもの濡れものほか、他人に見られたくないものを収めておくのにいいでしょう。
その右上には、故意か偶然か、ケースとぴったりサイズの三角表示板が収められています。
・ラゲッジフック
フロアの四隅に設置されています。リヤシートバック側は固定式が、手前側はさきの穴ぼこ内に、折り畳み式が設置されています。
というわけで「ストレージ編」はここまで。
ユーティリティの話は次回も続けます。
(文/写真:山口尚志 モデル:星沢しおり)
【試乗車主要諸元】
■日産エクストレイル G e-4ORCE アクセサリー装着車〔6AA-SNT33型・2022(令和4)年7月型・4WD・ステルスグレー&スーパーブラック2トーン/ブラック内装〕
★メーカーオプション(税込み)
・アダプティブLEDヘッドライトシステム(オートレベライザー付):3万3000円
・クリアビューパッケージ(リヤLEDフォグランプ):2万7500円
・BOSE Premium Sound System(9スピーカー):13万2000円
・ステルスグレー/スーパーブラック 特別塗装色:7万7000円
・ルーフレール+パノラミックガラスルーフ(電動チルト&スライド、電動格納式シェード付):18万1500円
★販社オプション(税込み)
・グリルイルミネーション(インテリジェント アラウンドビューモニター付車用):6万3840円
・日産オリジナルドライブレコーダー(フロント+リヤ):8万6302円
・ウインドウ撥水 12ヶ月(フロントガラス+フロントドアガラス撥水処理):1万1935円
・ラゲッジトレイ:1万7800円
・デュアルカーペット:3万9800円
・滑り防止マット:1980円
・アドベンチャーズパッケージ(リモコンオートバックドア・インテリジェント アラウンドビューモニター付車用):16万3118円(セット内容:フロントアンダーカバー、リヤアンダーカバー、フロントバンパーフィニッシャー(ブラック))
・フードディフレクター:2万9800円
●全長×全幅×全高:4660×1840×1720mm ●ホイールベース:2705mm ●トレッド 前/後:1585/1590mm ●最低地上高:185mm ●車両重量:1880kg ●乗車定員:5名 ●最小回転半径:5.4m ●タイヤサイズ:235/60R18 ●エンジン:KR15DDT型(水冷直列3気筒DOHC) ●総排気量:1497cc ●圧縮比:8.0-14.0 ●最高出力:144ps/2400-4000rpm ●最大トルク:25.5kgm/2400~4000rpm ●燃料供給装置:ニッサンDi ●燃料タンク容量:55L(無鉛レギュラー) ●モーター型式(フロント):BM46 ●種類:交流同期電動機 ●最高出力:204ps/4501-7422rpm ●最大トルク:33.7kgm/0-3505rpm ●動力用電池(個数/容量):リチウムイオン電池(-/-) ●モーター型式(リヤ):MM48 ●種類:交流同期電動機 ●最高出力:136ps/4897-9504rpm ●最大トルク:19.9kgm/0-4897rpm ●動力用電池(個数/容量):リチウムイオン電池(-/-) ●WLTC燃料消費率(総合/市街地モード/郊外モード/高速道路モード):18.3/16.1/19.9/18.4km/L ●JC08燃料消費率:-km/L ●サスペンション 前/後:ストラット式/マルチリンク式 ●ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク ●車両本体価格:478万8700円(消費税込み・除くメーカーオプション)