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■特徴的なCピラーを備えた新鮮味あふれるエクステリア
CセグメントSUVであるMINIクロスオーバーの後継モデルが登場します。
フルモデルチェンジを受けた「MINI Countryman(ミニ・カントリーマン)」の新型モデルの予約注文が、2023年11月21日に開始されました。
なお、正規販売店だけでなく、MINIのウェブサイトでも予約注文の受け付けを開始。納車は、2024年の第一四半期以降の予定になっています。
ご存じのように日本では、商標の関係から世界的に使われている「カントリーマン」ではなく、「クロスオーバー」という車名で販売されていました。
3代目の新型からは、世界的な車名であるMINI Countryman(MINIカントリーマン)に変わります。
全面改良を受けたMINIカントリーマンは内外装すべてが刷新され、サイズアップも図られています。
さらに、内外装の素材からクロームパーツやレザーが廃止され、代わりにリサイクルポリエステルやリサイクルアルミニウムが採用されるなど、持続可能性が高められています。
●挨拶するように点滅する前後ライト
エクステリアは、ソフトなボリューム感と正確に削り取られたエッジの組み合わせが特徴。複雑な輪郭を描く八角形のフロントグリルが印象的なフロントマスクを構築しています。
サイドビューはミニマルな外観でありながら力強い存在感を放ち、Cピラーが特徴的で、車両後部のルーフラインを支えるようなイメージになっています。同時に、ボディ全体に垂直方向の存在感を印象付け、さらにブラックルーフレールの装備により、引き締まった雰囲気を醸し出しています。
リヤビューは、全体を縁取る縦型のテールランプとクリアな表面が個性を演出していて、ワイドなスタンスと直立的な力強い造形になっています。
ヘッドライトは、フロントのエクステリアを印象付ける意匠だけでなく機能も充実しています。アダプティブライト、ハイビームアシスタントが標準装備されたLEDヘッドライトには、MINIらしい遊び心を表現した機能も新たに導入。
シグネチャーライトは、フロントだけでなくリヤライトの点灯方法を3パターンから選択でき、気分に合わせてカスタマイズが可能です。
Welcome/Goodbyeライトは、リモコンキーを持った状態で車両に近づいたり離れたりすると、前後ライトが点滅し、まるでクルマが挨拶をするかのような機能が与えられています。
●操作系をトグルスイッチに集中配置
一方のインテリアは、温かく広々としたムードを享受できるだけでなく、最新世代らしく完全なデジタル化が図られています。ステアリングホイール奥のメーターパネルは廃止され、すべてのコンテンツがヘッドアップディスプレイ、円型有機ELセンターディスプレイに映し出されます。
ステアリング奥のメーターパネルのレス化(センターメーター化)により、前方視界が開け、広々としたキャビンが広がります。
また、広々としたカーブを描くダッシュボードには、布地を連想させる新しい素材を初採用。リサイクル・ポリエステルを使ったこの新素材は、編み物のような特別な製造方法により、汎用性が高く、手入れが簡単な構造になっていて、温かみのある印象も美点です。
先代で用意されていたセンターコンソールにあったパーキングブレーキスイッチ、ギヤセレクターレバー、エンジンスタート/ストップボタンなどを廃止。新型ではすべてをセンターディスプレイ下のトグルスイッチエリアに集約させることで前席まわりの空間が広がり、モダンでスタイリッシュな仕立てになっています。
MINIの内装を印象づける大型の円形センターディスプレイは、最先端の有機ELテクノロジーが採用されています。直径240mmの高品質ガラスが採用され、最適化された高感度タッチ機能を装備。操作はスマホを操作するような直感的な操作が可能で、メインメニューでは、各機能がウィジェットとして横並びに配置され、スワイプやタッチで操作できます。
メーターパネルとしての機能はもちろん、AR機能付きナビゲーション、メディア、電話、エアコン、各種設定など、すべての操作が円形有機ELディスプレイで完結。
インテリアは、最新モデルらしい演出も用意されています。全車標準装備の「MINIエクスペリエンスモード」により、内装の雰囲気を一変させることが可能。ダッシュボード上に最大7パターンの光のグラフィックを投影させることで、光のパターンとアンビエント・イルミネーション、新たに作られた「MINIドライビングサウンド」により車内の演出が可能です。
たとえば、「パーソナルモード」では、お気に入りの画像をディスプレイの背景に設定することができます。また、「ビビッドモード」を設定すれば、流れている音楽のカバーアートの色に合わせたライトエフェクトが25色の中から自動で選定され、ダッシュボード上に投影されます。
機能面での進化も見逃せません。とくに先進安全装備と運転支援システムが大幅に進化していて、MINIとして初となるハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能などが用意されます。高速道路での渋滞時(60km/h以下)に、一定の条件下でステアリングから手を離しての走行が可能になります。
●「EfficientDynamics」エンジンの新世代モジュール式を採用
搭載されるパワートレインは、高効率なガソリンエンジンをはじめ、人気のクリーンディーゼルエンジン搭載車を用意。2WD、4WDモデルの選択も可能です。
「MINI Countryman C」には、「EfficientDynamics」エンジンの新世代モジュール式高効率1.5L直列3気筒MINIツインパワーターボガソリンエンジンが搭載されています。
最高出力115kW(156PS)/5000rpm、最大トルク230Nm/1500-4600rpmを発揮。ダイナミックな走りを実現する7速デュアルクラッチトランスミッションが組み合わされます。
「MINI Countryman D」にもBMWグループが誇る「EfficientDynamics」エンジンの新世代モジュール式である高効率2.0L直列4気筒MINIツインパワーターボディーゼルエンジンが搭載されます。最高出力110kW(150PS)/4000rpm、最大トルク360Nm/1500-2500rpmを発揮。7速デュアルクラッチトランスミッションとの組み合わせになります。
「MINI Countryman S ALL4」にも「EfficientDynamicsエンジン」の新世代モジュール式高効率2.0Lの直列4気筒MINIツインパワーターボガソリンエンジンが積まれます。最高出力150kW(156PS)/5000rpm、最大トルク300Nm/1450-4500rpmを発揮。力強い走りを実現する7速デュアルクラッチトランスミッション、オールタイム4輪駆動システム「ALL4」が組み合わされ、路面を問わず安定性と悪路の走破性を高め、SUVとしての機能性が引き上げられています。
「MINI John Cooper Works Countryman」には、MINIツインパワーターボテクノロジーなどにより最高出力233kW(316PS)/5750rpm、最大トルク400Nm/2000-4500rpmを実現するガソリンエンジンが搭載されています。こちらは、新型X1の「X2 M35i」と同値。
組み合わされるのは、7速デュアルクラッチトランスミッションで、「John Cooper Works」専用チューニングが施されたスポーツサスペンションも搭載されています。
加えて、コーナリング時のトラクションとハンドリング性能を向上させる「エレクトロニック・ディファレンシャル・ロック・コントロール(EDLC)」、「パフォーマンスコントロール」を備えた「ダイナミックスタビリティ・コントロール(DSC)」、MINI独自の4輪駆動システム「ALL4」などを採用。レーシーな走りと悪路での高い走破性が与えられています。
そのほか、先進安全機能「ドライビングアシストプロフェッショナル」、車両全方向に対応したドライブレコーダー、「インテリジェントパーソナルアシスタント」などを用意。
なお、新型MINIカントリーマンは、新しい取り組みとして、ディーラーでのオーダーだけでなく、新型MINI Countrymanを含め、今後発表されるすべてのMINIモデルが365日24時間利用可能な「MINIオンライン・ストア」からも注文が可能になります。
●ボディサイズ:全長4445×全幅1845×全高1660mm
●ホイールベース:2690mm
●価格
「MINI Countryman C」:489万円
「MINI Countryman D」:509万円
「MINI Countryman S ALL4」:566万円
「MINI John Cooper Works Countryman」:667万円
(塚田 勝弘)