トライアンフが新型「スクランブラー1200X/XE」発表。Xはリーズナブルな新型車、XEはオフロード走破性を向上

■オン・オフをより楽しめるアップデートを敢行

イギリスのバイクメーカー「トライアンフ」のラインアップの中で、往年のオフロードレーサーを彷彿させるスタイルが魅力のスクランブラー・シリーズ。

トライアンフ・スクランブラー1200X(アッシュグレー)
トライアンフ・スクランブラー1200X(アッシュグレー)

バイク初心者にも最適な400ccモデルや、ミドルクラスの900cc版など、豊富なラインアップを誇りますが、その最大排気量である1200cc・2気筒エンジンを搭載する「スクランブラー1200XE」に、足まわりなどのアップデートを受けた2024年モデルが登場。

また、リーズナブルな価格や低いシート高などが特徴の新型「スクランブラー1200X」も設定。日本では2024年1月に発売が予定されています。

●1960年代のオフロードマシンをオマージュ

今回発表された2モデルが採用するスクランブラーというスタイルは、1960年代にロードバイクをベースにオフロード仕様にしたバイクのこと。近年のリバイバルブームにより、こうしたスタイルが世界的に大きな人気を得ています。

トライアンフ・スクランブラー1200XC(バハオレンジ&ファントムブラック)
トライアンフ・スクランブラー1200XE(バハオレンジ&ファントムブラック)

主な特徴は、アップタイプのマフラーやバーハンドルなどによる、ワイルドでビンテージ感満点のフォルム。トライアンフのスクランブラー・シリーズでも、その方程式を踏襲しつつ、最新の装備により、高いオフロード走行性能とオンロードでの快適な走りを両立しています。

ちなみに、スクランブラー1200XEは、2018年に初代モデルが登場。従来は、スタンダード仕様として、スクランブラー1200XCもラインアップされていましたが、現在はラインアップから消滅。スクランブラー1200Xが実質的にXCの後継モデルとなるようです。

エンジンには、排気量1200cc・水冷2気筒、通称ボンネビルエンジンを搭載。最高出力90ps/7500rpm、最大トルク110Nm(11.21kgf-m)/4500rpmを発揮します。

今回登場する2モデルに搭載するエンジンは、オンロードでもオフロードでも完璧なパワーバランスを発揮できるようなチューニングを施していることがポイントです。ピークパワーである90PSの発生回転域を、従来型よりやや低めの7000rpmに設定。ピークトルクである11.21kgf-mには4250rpmで到達し、低中速域でも優れたアクセルレスポンスを発揮します。

ツインエキゾーストシステムはブラッシュ仕上げのステンレス製サイレンサーを採用
ツインエキゾーストシステムはブラッシュ仕上げのステンレス製サイレンサーを採用

また、ハイスペックなツインエキゾーストシステムは、ブラッシュ仕上げのステンレス製サイレンサーを採用。スクランブラー1200のトレードマークでもある、深みのある個性的なエンジンサウンドを奏でます。

さらに、スクランブラー1200Xには、5つのライダーモードを用意。「スポーツ」「ロード」「レイン」「オフロード」、それに好みのセットができる「ライダー」から選択が可能で、それぞれに専用のスロットルレスポンスやABS、TC(トラクションコントロール)の設定を施しています。

また、スクランブラー1200XEでは、これらに加えて、「オフロードプロ」モードも追加。経験豊富なライダーなどが、難しいオフロード走行で完全なバイクコントロールができるような設定を選ぶこともできます。

●1200XEはロングスイングアームも採用

新型のスクランブラー1200Xと1200XEでは、足まわりに、マルゾッキ製の前後サスペンションを装備。リヤサスペンションには、ピギーバックリザーバー付きツインタイプを採用し、1200Xはプリロード調整が可能、1200XEはフルアジャスタブルタイプを搭載しています。

トライアンフ・スクランブラー1200X(カーニバルレッド)
トライアンフ・スクランブラー1200X(カーニバルレッド)

なお、ホイールトラベルは、1200Xが前後170mmなのに対し、1200XEは前後250mmとより長い設定に。また、スイングアームもXは579mm、XEはさらに32mm長い611mmとすることで、よりオフロード走行に特化した仕様になっています。

ブレーキには、1200XEがフロントに320mm径のツインフローティングディスクとブレンボ製Stylemaラジアルモノブロックフロントキャリパーをマッチング。リヤには、ニッシン製キャリパーを備えた255mmディスクを採用し、ブレーキ性能をさらに高めています。

一方、1200Xでは、フロントに310mm径のツインフローティングディスクとニッシン製ツインピストンアキシャルキャリパーを採用。リヤには255mm径のリアディスクとニッシン製フローティングブレーキキャリパーを装備することで、オンロードでの安定した制動性能に貢献します。

1200XEのハンドルバーは、Xよりも65mm幅を広く設定し、オフロードで高いコントロール性を発揮する
1200XEのハンドルバーは、Xよりも65mm幅を広く設定し、オフロードで高いコントロール性を発揮する

ほかにも、スクランブラー1200Xには、エレガントなスタイルの円形メーターに組み込まれた専用のTFT/LCDハイブリッド多機能メーターを装備。スクランブラー1200XEではカスタマイズができるフルカラーTFTメーターを備え、多様な情報が一目で分かるような工夫もなされています。

ちなみに、スクランブラー1200Xでは、シート高を低く設定していることも大きな特徴。1200XEの870mmに対し、820mmとしているほか、オプションのローシートを装着すると795mmまで下げることが可能で、街乗りなどでの足着き性が良好な仕様となっています。

トライアンフ・スクランブラー1200XC(ファントムブラック&ストームグレー)
トライアンフ・スクランブラー1200XE(ファントムブラック&ストームグレー)

ボディカラーは、スクランブラー1200Xが「サファイアブラック」「カーニバルレッド」「アッシュグレー」を設定。スクランブラー1200XEでは、「サファイアブラック」「ファントムブラック&ストームグレー」「バハオレンジ&ファントムブラック」を用意します。

価格(税込)は、スクランブラー1200Xが186万2000円〜190万1600円。スクランブラー1200XEは208万8000円〜212万7600円(カラーによって価格が変わる)。

前述の通り、スクランブラー1200Xは、スクランブラー1200XEと比べると、比較的リーズナブルな価格に設定されていることも注目点ですね。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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