■街中でも取り回ししやすいサイズと広いキャビン、ラゲッジを両立
3代目となるメルセデス・ベンツBクラスは、2019年6月に日本デビューを果たしました。Aクラスと同じ「MFA II」プラットフォームを使いながら全高を高めることで、乗降性や居住性、積載性を高めているのが特徴です。
現行Bクラスは、Aクラスとほぼ同等の全長・全幅と、2730mmという同じホイールベースとしつつ、全高はAクラスよりも130mm高めた1550mmとなっています。
●ボディサイズサイズ(全長×全幅×全高mm/ホイールベースmm/最小回転半径m)
Aクラス(A 200 d):4400×1800×1420mm/2730mm/5.0m
Bクラス(B 180):4430×1795×1550mm/2730mm/5.0m
Bクラスは全高を1550mmに抑えることで、高さ制限がある機械式立体駐車場などにも対応するほか、幅1800mm制限のある駐車場などにも入庫できます。少し古めのマンションや都市部の立体駐車場などにも入庫可能なうえ、Aクラスと同じ最小回転半径により取り回しも楽にできます。
Bクラス最大の美点は、全高が高まったことで乗降性をはじめ、キャビンとラゲッジスペースにゆとりが生まれている点。AクラスとBクラスを交互に乗り降りすると、Bクラスのパッケージングの良さを実感できます。頭上まわりに余裕があるだけでなく、前後席ともに着座位置も高めになっているため、低い位置に潜り込むようなAクラスよりも楽な姿勢で乗り降りできます。
乗降のしやすさ、開放感のある車内、広い荷室は、Aクラスよりもファミリー向けといえます。
2023年2月にマイナーチェンジを受けたBクラス。エクステリアはよりスポーティに、インテリアはすっきりとしたセンターコンソールまわりになっています。
外観で目を惹くのは、写真の「AMGラインパッケージ」で、マットクローム仕上げの小さなスリーポインテッドスターが無数に配置されたシングルルーバータイプの「スターパターンフロントグリル」。なお、標準仕様はブラック仕上げです。
インテリアのトピックスは、新世代ステアリングホイールの採用と、センターコンソールまわりの変更。オプションの「AMGラインパッケージ」を選ぶと、3本のツインスポークになり、先進的で未来的な雰囲気が漂います。
また、センターコンソールに設置されていたタッチパッドが廃止されるとともに、助手席前には新デザインのインテリアトリムが採用され、スタイリッシュな意匠になっています。オプションの「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」を選択すると本革ブラックになり、高級感あふれる室内に身を委ねることができます。
加えて、Sクラス譲りで最新世代の対話型インフォテイメントシステム「MBUX」をはじめ、拡張現実(AR)を使った「MBUX ARナビ」など、最新技術を採用。
走りの面では、アダプティブクルーズコントロールである「ディスタンスアシスト・ディストロニック」使用時のハンズオフ検知機能が静電容量式センサーで検知するようになり、軽くステアリングを握っているだけでACCの使用を持続することが可能になっています。
136PS/200Nmというエンジンスペックの1.3Lガソリンエンジンを積む試乗車の「B 180」は1430kgという車両重量で、「A 180」よりも70kg重くなっています。
Aクラスよりも着座位置が高めで、重量も大人1人分重いこともあり、Aクラスほどのスポーティ感はないものの、実用域での動力性能に不足はなく、高速走行時のパンチ力も1人乗車であれば十分という性能を披露してくれます。
なお、「スポーツ」モードにすると、ブリッピングしながらシフトダウンするなど、MPV(マルチパーパスビークル)というイメージを覆すスポーティな走りも享受できます。
街乗り中心で1人〜2人乗車が多いのならB 180でもトルク、パワーともに不足はなく、4人乗車で多くの荷物を積んでロングドライブもするのなら、150PS/320Nmの2.0Lディーゼルエンジンを搭載するB 200 dを選択すれば、高い満足感が得られるはずです。
●B 180
車両本体価格:537万円
●オプション価格
「AMGラインパッケージ」:39万8000円
「イリジウムシルバー・メタリック」:9万5000円
●オプションを含む車両本体価格:586万3000円
(文:塚田 勝弘/写真:塚田 勝弘、メルセデス・ベンツ日本)