クルマには数々のグレードや駆動方式・仕様がありますが、ある程度売れてくるとイメージ的な物が定着してきます。
そのなかでカタログの中にひっそりと存在する意外なグレードを取り上げてみました。
FFレガシィ
レガシィといえばフルタイム4WDのイメージですが、実は初代モデルと2代目モデルにFFの設定がありました。
当時は4WDのイメージにより価格の設定や燃費面で苦戦していたレガシィに、FFとすることで軽量化・コストダウンを図り、燃費の向上と価格を抑えたモデルとして一時期存在していました。
FFとすることにより、4WDの同一グレードより70キロも軽量化され、10.15モードのカタログ値では2キロ近く低燃費でした。3代目レガシィ以降は全て4WDのみの設定となり、今ではFFレガシィは存在しません。
Y32 シーマのV6ターボ
2代目となるY32シーマはV8 4.1Lエンジンを搭載し高級路線を狙いましたが、登場時は初代ほどのヒットとはなりませんでした。
そこで日産は、先代シーマに搭載されていたV6 3.0L DOHC ターボのVG30DETを改良し、途中からツーリングと言う名前で発売。V6エンジン搭載のツーリングはV8モデルより日産車らしいパワフルな加速が魅力となりました。
結局シーマのV6 3.0L ターボモデルは最終型まで存在し、V8モデルだけでなくV6ターボモデルのファンも多かったようです。
ハイラックスサーフの2WD
ハイラックスサーフと言えばクロカン4駆ブームに乗り大ヒットしたクルマですが、カタチで乗る若者の中には2WDでしか走行したことのないオーナーも多く(トランスファーレバーの使い方を知らない!と言ったオーナーもいたようです)、トヨタは2WDモデルを設定し、見た目はクロカン4駆でありながら、2WDのスポーツランナーというグレードが生まれました。
ローダウンをしエアロパーツが装着されたスポーツランナーはFFレガシィ同様、軽量化・低価格化に貢献し、人気のサーフを手軽に購入する事が出来るクルマでした。売れ行き的には成功とは言えませんでしたが、SUVの新しい方向性を打ち出したのかもしれません。
一見、え?と思えるクルマ達ですが、Y32 V6シーマのように人気が出てくるモデルや、実際買ったはいいけど、全く使わない4WD機構を備えたハイラックスサーフの標準モデルより、スポーツランナーの手軽さを賞賛される事もありました。
最近ではメーカーもマーケティングの精度が高まっているため、昔ほど「あれ?」と言うクルマは存在しませんが、過去を振り返りこういったモデルを見返してみるのも面白いかもしれません。
(井元 貴幸)
【すべての写真が見られない方はコチラ】https://clicccar.com/?p=127210