トヨタが新型プリウスでも採用した「ハンマーヘッド」デザインって何?

■“シュモクザメ”とカーデザインの関連性

PRIUS_PHEV
ハンマーヘッドを導入した新型トヨタ「プリウス」

トヨタ自動車が、新型車のフロントマスクの形容に使う「ハンマーヘッド」という表現を目にする機会が増えています。

同社はこのデザイン・テーマをbZ4Xを皮切りに、新型クラウンシリーズや新型プリウスのフロントマスクに順次展開しており、今後は次期C-HRにも採用することを明かしています。

TOYOTA_bZ4X
ハンマーヘッドを初採用したトヨタ「bZ4X」

実は「ハンマーヘッド」はシュモクザメの別称で、“ハンマーヘッド シャーク”とも呼ばれており、金槌状に左右に突き出た頭部の両端に目と鼻を持つ異様な外観を特徴としています。

しかし、そんなシュモクザメとカーデザインの関連性について今ひとつピンとこないのではないでしょうか。

●トヨタのエクステリア・デザイナーにズバリ訊いてみた

そこで、先頃開催された新型プリウス試乗会の場で、同車のデザインを担当した廣川グループ長にそうした疑問をぶつけてみたところ、次のような回答を得ることが出来ました。

TOYOTA_PRIUS
新型プリウスのアイデアスケッチ

同氏いわく、「近年のLED化でランプ類が細幅となり、見た目のインパクトが弱くなるため、LEDを“コの字”状に配置することで存在感を強調しています。弊社ではこれを“ハンマーヘッド”と称しています」とのことでした。

具体的には、車両のフロントマスクへ左右一対に配置した“コの字”型DRLが、シュモクザメの頭部形状に似ていることから「ハンマーヘッド」と呼んでいるそうです。

Hammerhead_Shark
金槌状の頭部を持つハンマーヘッド シャーク

確かに説明を受けると、そういうことだったのか…となりますが、やはりカーデザイナーならではの表現なので、単にこれが「ハンマーヘッドデザインです」と言われても、一般的には理解し難い面も。

トヨタは「ハンマーヘッド」とカーデザインの関連性について、詳しく説明していないようなので、各種メディアにおいてもさらっと受け流している状況なのではないでしょうか。

●今後のトヨタ車の“顔”が全て「ハンマーヘッド」に?

TOYOTA_CROWN_Sports
ハンマーヘッドを導入した新型クラウン「スポーツ」

一方、「ハンマーヘッド」を今後のトヨタ車の顔として水平展開した場合、統一感が出せる反面、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディや、レクサスシリーズ、マツダ車などがそうであるように、同じような顔つきでありながらも、別車種として認識してもらうための工夫が必要になります。

また、「ハンマーヘッド」デザインに対して飽きが来ないような工夫も求められることになり、今後のデザイナーの手腕が問われることになりそうです。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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