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■目まぐるしく順位が入れ替わったGT300クラスの序盤戦
●タイヤ交換本数が勝敗を決めた!?
11月6日(土)、7日(日)に栃木県 ツインリンクもてぎで開催の2021 AUTOBACS SUPER GT第7戦『MOTEGI GT 300km RACE』。さわやかな秋晴れの中、午後1時にフォーメーションラップが開始され、引き続きローリングスタートにより決勝レースが始まります。
GT300クラスの決勝レースは、予選2位でサクセスウェイト75kgの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが、ポールポジションの18号車 UPGARAGE NSX GT3をスタートで抜いていきなりトップに浮上。55号車 ARTA NSX GT3、88号車 JLOC ランボルギーニ GT3、21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMSが続きます。
序盤のSUBARU BRZ R&D SPORTの速さはかなりのもので、ほんの数周で2番手のUPGARAGE NSX GT3を置き去りにしていきます。そしてUPGARAGE NSX GT3の背後にはARTA NSX GT3が迫り、序盤はNSX GT3同士の2番手バトルが展開していきます。
しかしそのバトルも6周目でUPGARAGE NSX GT3が白煙を上げて止まってしまうことで、ARTA NSX GT3はさらに前へ進んでいきます。なおUPGARAGE NSX GT3はエンジントラブルによりリタイアとなってしまいます。
また9周目に、GT300クラスをラップするGT500マシンと65号車 LEON PYRAMID AMGがヘアピンで接触しコースアウト。これでフルコースイエロー(FCY)が導入されます。
10周目にレース再開となります。そこからすぐの12周目にはARTA NSX GT3がSUBARU BRZ R&D SPORTを抜き去ってトップに浮上。さらに、SUBARU BRZ R&D SPORTの背後にはJLOC ランボルギーニ GT3。そして13周目、今度は後方からポジションを上げてきた4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGと87号車 グランシード ランボルギーニ GT3が接触し、4号車はコースアウトしてストップ。2度目のFCYとなってしまいました。
レースも中盤に入る29周目にARTA NSX-GTはピットイン。リアタイヤ2本交換でレースに復帰していきます。このタイヤ交換の本数で順位が大きく変動してしまいました。リアタイヤ2本交換を行ったチームは他にJLOC ランボルギーニ GT3、21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMSなどがあります。
タイヤ無交換を行ったのは56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-Rで、この作戦のおかげで全車ピットアウトした段階では予選7番手から3番手にまで順位を上げていました。
タイヤ4本交換を行ったのは、ピットイン時点で2番手のSUBARU BRZ R&D SPORT。しかし、ピットアウトした時点でリアライズ日産自動車大学校 GT-Rの後方となってしまい、順位を下げてしまう結果となりました。
●ノーウェイトの強み? Hitotsuyama Audi R8 LMSが競り勝ってトップへ!
後半のトップ争いは、リア2本交換のARTA NSX-GTとHitotsuyama Audi R8 LMSのバトルとなります。サクセスウェイト45kgのARTA NSX-GTに対して、ノーウェイトのHitotsuyama Audi R8 LMS。ノーウェイトが効いていたのでしょうか?Hitotsuyama Audi R8 LMSが競り勝ってトップに立つと、そのまま差を広げていきます。
その後方3番手争いは、リアライズ日産自動車大学校 GT-Rを先頭にしてSUBARU BRZ R&D SPORT、JLOC ランボルギーニ GT3による接近戦バトルとなります。
SUBARU BRZ R&D SPORTは、JLOC ランボルギーニ GT3とのバトル中にスピンを喫してしまいます。すぐに復帰するも、6番手まで後退。
トップの21号車は、危なげない走りで一番最初にチェッカーフラッグをくぐり抜けます。 Hitotsuyama Audi R8 LMSは2020年の第6戦鈴鹿以来の優勝となります。
なお、今季からフル参戦の篠原拓朗選手は、GT300での初優勝となります。
2位はARTA NSX GT3。3位争いはリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが表彰台を死守した形となりました。
この順位によりドライバーランキングのシリーズポイントは1位SUBARU BRZ R&D SPORTの55点、2位リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの49点、3位ARTA NSX GT3の45点となりました。
次戦はいよいよ最終戦となる富士スピードウェイでの第8戦。ここでチャンピオンが決定するという大一番は11月27日(土)、28日(日)に開催です。
(写真:吉見 幸夫/文:松永 和浩)