第7戦もてぎ、GT500はラストラップで戦局一変!優勝はARTA NSX-GT【SUPER GT 2021】

■ロケットスタートのカルソニック IMPUL GT-Rが3コーナーまでに2位浮上

●秋晴れのもてぎで繰り広げられたスーパーGT GT500バトル

11月6日(土)、7日(日)に栃木県 ツインリンクもてぎで開催の2021 AUTOBACS SUPER GT第7戦『MOTEGI GT 300km RACE』。さわやかな秋晴れの中、午後1時にフォーメーションラップが開始され、引き続きローリングスタートにより決勝レースが始まります。

スタートラップ
スタートラップ

お昼前に行われたウォームアップ走行で、GT300のマシンに追突されマシン後部を壊されてしまった17号車 Astemo NSX-GTでしたが修復が間に合い、予選順位通りの8番グリッドからスタートすることが出来ました。

Astemo NSX-GT
Astemo NSX-GT

レースのスタートラップではポールポジションの19号車 WedsSport ADVAN GR Supraがトップを守るホールショット。しかし、2番手には4番グリッドスタートの12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが素晴らしいスタートからこの位置にジャンプアップして迫ります。

3番手は8号車 ARTA NSX-GT、4番手には16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTという序列。予選2位だった24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは5番手にまで順位を下げてしまいます。

序盤のトップバトル
序盤のトップバトル

9周目にGT300のマシンがコースアウト、その処理のため10周目にフルコースイエロー(FCY)が導入されます。さらに14周目にもGT300のマシン同士が接触してのコースアウトのために、2度目のFCYが導入されます。

この連続FCYの影響もあってか、カルソニック IMPUL GT-RがトップのWedsSport ADVAN GR Supraに急接近し、21周目に追い抜いてトップはカルソニック IMPUL GT-Rへと入れ替わります。

23周目に、まずトップのカルソニック IMPUL GT-Rがピットイン。3番手のARTA NSX-GTもほぼ同時にピットインします。24周目にはWedsSport ADVAN GR Supraもピットインしますが、上位3台はピットインによる順位変動はありません。

●まさかの轟沈? 最終ラップでカルソニック IMPUL GT-Rがトップから脱落!

GT500のすべてが31周目までに所定のピット作業を終え、レースは後半戦に突入していきます。

カルソニック IMPUL GT-R
カルソニック IMPUL GT-R

全車ピットアウト後の順位はトップがカルソニック IMPUL GT-R、2番手にARTA NSX-GT、3番手のWedsSport ADVAN GR Supraと続きます。レース中盤はカルソニック IMPUL GT-RがARTA NSX-GTを引き離し、独走体制に入ったかのようでした。

カルソニック IMPUL GT-R
カルソニック IMPUL GT-R

しかし、40周過ぎでARTA NSX-GTはカルソニック IMPUL GT-Rとの差を徐々に詰めていき、残り14周目には1秒を切って接近戦の体制に持ち込んでいきます。

カルソニック IMPUL GT-R
カルソニック IMPUL GT-R

この接近戦、ペースはARTA NSX-GTが勝っており、カルソニック IMPUL GT-Rは防戦一辺倒になっていきます。しかしながら、カルソニック IMPUL GT-Rは最終ラップに入るまで、何度かインに入り込むARTA NSX-GTをブロックしていきます。

ARTA NSX-GT
ARTA NSX-GT

そしてファイナルラップに入るホームストレートで、カルソニック IMPUL GT-Rが失速。ストレートスピードが伸びません。なんと、カルソニック IMPUL GT-Rにガス欠症状が発生してしまいます。これをARTA NSX-GTが3コーナー先で抜き、ARTA NSX-GTはそのままトップでチェッカーフラッグをくぐり抜けました。

WedsSport ADVAN GR Supra
WedsSport ADVAN GR Supra

カルソニック IMPUL GT-Rは必死に燃費走行を駆使してフィニッシュラインを超えることが出来ましたが、中盤で20秒以上も差をつけたWedsSport ADVAN GR Supraにもメインストレートに入ってから抜かれ、結局3位となってしまいます。

優勝を喜び合うARTA NSX-GTのドライバー
優勝を喜び合うARTA NSX-GTのドライバー

優勝はARTA NSX-GTで、前戦オートポリスに続き連勝を果たします。

ARTA NSX-GTのドライバー
ARTA NSX-GTの鈴木監督、野尻選手、福住選手

これでARTA NSX-GTの野尻智紀選手と福住仁嶺選手はドライバーランキング首位のSTANLEY NSX-GTの山本尚貴選手に5ポイント差となり、最終戦富士ではチャンピオン争いの一角として挑むことになりました。

GT500クラスの表彰台
GT500クラスの表彰台

いよいよ次戦は最終戦となる富士スピードウェイでの第8戦。泣いても笑ってもチャンピオンが決定してしまうという大勝負の一戦となります。

そんな最終戦の富士は11月27日(土)、28日(日)に開催です。

(写真:吉見幸夫/文:松永 和浩

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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